オーストラリアのシドニーに本社を置くエネルギー小売業者であるOrigin Energy(オリジン)は、P2P(ピアツーピア)でのエネルギー取引を行うブロックチェーン企業のPower Ledgerによって構築されたプラットフォームを使い、新しいエネルギー取引の実証実験を始めることが分かった。

オリジンは、発電所の運営や天然ガスの処理、商業・家庭用の電力供給など幅広くのエネルギー分野で活動しており、今回のプロジェクトでは、プラットフォームを使用して余剰エネルギーを購入もしくは販売する顧客と、ブロックチェーンを使用してエネルギーが割り当てられている場所を特定し、記録することを試行するという。

オリジンの執行役員であるTony Lucas(トニー・ルーカス)氏は、次のように述べた。

「この技術はまだ初期段階ですが、P2Pのエネルギー取引が顧客に提供できる可能性のある潜在的なメリットを探求したいと考えています。Power Ledgerは、現在検討中の多数の新興技術の1つです。顧客の変化するニーズを満たすことができると信じています。」

今回の実証実験は今年10月にスタートされ、3ヶ月間にわたって行われる予定。有意義な結果が得られた場合、オリジンの大規模な顧客情報を使って、ブロックチェーンのP2P取引に基づいて構築された、新しいエネルギー管理システムを生み出す可能性があるとしている。

一般的にブロックチェーンというと、ビットコインなど仮想通貨の印象が強く持たれるが、こういったエネルギー分野でもブロックチェーン技術の活用が見出されているということを知っておきたい。

参考:CoinDesk