世界各国で仮想通貨の受け入れに対して、法整備や技術開発が急がれている。中には仮想通貨に関して否定的であったり関心を示さない地域もある。ビットコインなど、非中央集権的なものは管理ができず、自国通貨の流出などその国にとって脅威だという意見も見られる。

しかし、仮想通貨の根幹技術であるブロックチェーン技術については、多くの国が注目しており、法律のもとで管理をするべく規制を進めているところが目立つ。

米COIN TELEGRAPHが伝えるところによると、各国の中央銀行や政府の80%はブロックチェーンについて理解を示しており支持、導入を検討しているという。

日銀とECB(欧州中央銀行)が最近ブロックチェーン技術を活用した実証実験を行ったが、報告ではブロックチェーン技術は広く普及するまでにはまだ未成熟であるともしていた。しかし、英ケンブリッジ大学のCCAF(ケンブリッジ・センター・フォー・オルタナティブ・ファイナンス)の最近の調査では、世界各国の中央銀行でブロックチェーン技術を強く支持しているとしている。

CCAFの調査によると、中央銀行の20%が2019年までにブロックチェーン技術を使用し、40%は10年以内にブロックチェーンアプリケーションを使用するという。この調査結果は多くの技術者・研究者が指摘しているとおり、銀行業界がブロックチェーン技術の力を理解し始めていることが分かる。

また、回答した多くの中央銀行は、プラットフォームやプロトコルにブロックチェーン技術を使用することに関心を示しただけでなく、ビットコインとイーサリアムに強い関心を示していたという。

しかし、この関心はビットコインを利用するということでなく、中央銀行独自の仮想通貨を発行するためのブロックチェーン技術の活用だけを検討しているという。

この調査結果により、非中央集権の自由な通貨から政府管理の中央集権化へ代わることも考えられる。もちろんビットコインやイーサリアムがなくなるという話ではなく、国際間の送金用などに国発行の仮想通貨を使われる可能性が出てきたという意味なので、共存していくと思われる。

世界中の中央銀行でデータ改ざんやハッキング防止など、よりセキュリティの高いソリューションを求めていることは明らかなことから、今後もブロックチェーン技術は市場シェアを拡大していくだろう。

参考:COIN TELEGRAPH