このところの仮想通貨に対する投資家たちの関心が高まっている。市場全体の時価総額は1,500億ドルを超え、その規模を拡大している。

この1週間での相場動向は特に動きが激しかった。直近ではやはりビットコイン(BTC)のSegWitがアクティベートされた話題は欠かせないだろう。24日にアクティベートされたが、17日には1BTCあたり50万円近くまで高騰していたが、ジリジリと価格を下げ、調整局面に入ったかと思えば22日には一時40万ほどまで下落を見せた。(CoinMarketCapの統計より、以下同)

この前後ではビットコインキャッシュ(BCH)の難易度調整によりマイニング効率などの比較がされ、また、大手マイニングプールなどがサポートしたことでビットコインキャッシュに目が向けられたと考えられており、19日には1BCHあたり10万円以上の過去最高値を付けた。

その後ビットコインは上げ相場を取り戻し、25日19時現在では48万円前後を推移しており、現在も価格を上げている。SegWitのアクティベートは好材料とも考えられるので、もう少し上げてくるだろうか。50万円を試す勢いだ。

時価総額2位のイーサリアム(ETH)は18日から20日まで3万円ほどを推移していたが、21日から22日にかけて一時3万8,000円まで高騰した。これは9月に予定している「メトロポリス」の実装に期待が高まったことが要因のひとつとして考えられている。その後少し相場を下げたが、現在まで堅調に推移し、3万6,000円前後で推移している。メトロポリスへのアップデートまで残り1月ほど、イーサリアム保有者の間では期待が高まっている。

ビットコインやイーサリアム、ビットコインキャッシュもさることながら、とくに今週話題が絶えなかった仮想通貨と言えばリップル(XRP)ではないだろうか。

21日までは16円ほどを推移していたが、22日に20円以上まで高騰、さらに23日には32円を上回った。実に2日で約100%の上昇だ。とくに韓国での買いが強まり、異常とも言える値動きを見せた。これは22日5時ころ、リップル社の公式Twitterでカウントダウンが始まり、重大な発表があると考えられ一気に買いが殺到したとの見方がされている。発表は10月16日から18日まで3日間にかけてカンファレンス「SWELL」を開催するという内容で、前FRB議長のベン・バーナンキ氏と、オバマ政権などで経済顧問を務めたジーン・スパークリング氏の対談やWebの産みの親であるティム・バーナーズ・リー氏が基調講演を行うという。

これは非常に明るいニュースだが、過剰に期待されていたため、一気に下落し、現在は24円ほどをキープしている。好材料が出てもなかなか価格に影響しないと言われるリップルだが、公式のツイートでここまで相場が動くとは、前向きに捉えればそれだけ市場から関心があるということだろうか。それでもしばらく20円に満たなかったのだから、現在も高い水準だと考えられるだろうか。しばらくはボラティリティ(価格変動率)が拡大しているので、これから購入をするのであれば慎重な判断が求められる。

リップルの下落とタイミングを同じくして、ライトコイン(LTC)が高騰したのも着目したい。23日まで1LTCあたり約5,000円だったが、24日にかけて一時6,000ほどまで一気に上昇した。これは、単純にリップルからライトコインに買い替えた方が多かったと考えられており、現在も5,500円ほどで値を付けており、安定しているように見られる。

時価総額上位5銘柄だけでもこのような動向を見せた今週だが、市場規模は確実に拡大している。新規での市場参加者の参入も増えている傾向にあり、また大手が仮想通貨取引所の開設を控えているので、仮想通貨のさらなる普及と発展が期待されている。今後の動向からますます目が離せない。