韓国で、ビットコインなど仮想通貨の取引を一部規制対象にし、投資家を守るための法案を検討していることが分かった。韓国は仮想通貨の取引も活発なので、仮想通貨投資家にとっては決して無視できないものではないだろうか。

今回、電子金融取引法の改正が提案されており、これによってビットコインやイーサリアムなど仮想通貨の交換、発行、管理、販売、仲介をする際に、金融当局に届け出、承認を得る必要がある。

昨今、絶えないハッキング攻撃などサイバー犯罪の標的となりうる仮想通貨投資家の保護を目的とし、預託や損害賠償保険を義務付けるという。また、この改正法案は、仮想通貨による相場操縦などの市場操作や、マネーロンダリング防止(AML)に対する罰則も含むという。

7月1日には、民主党の朴永鎭(パク・ヨンジン)議員が、仮想通貨の定義と顧客保護の観点から各種義務と禁止行為を規定する目的で電子金融取引法の改正を提案している。この前後で韓国大手の仮想通貨取引所Bithumはビットコインを狙ったハッキン​​グの攻撃を受け、サイバー犯罪の標的となったことも記憶に新しい。

この改正案は、仮想通貨通貨取引所など事業者の免許付与を目的とし、仮想通貨を「仲介的な交換手段」または「電子的貯蓄価値」として定義することで、韓国での法律の範囲内に位置づけることを目標としている。これは、2015年6月に米ニューヨーク州で実施された、仮想通貨事業者の承認を義務付けるものと同等のものである。

まず、仮想通貨事業者は大きく、「仮想通貨発行者」、「仮想通貨トレーダー」、「仮想通貨ディーラー」、「仮想通貨ブローカー」、「仮想通貨マネージャー」に分けられ、資本金5億ウォン以上でかつ、金融監督管理委員会(FSC)の承認を受けることが必須条件となる。また、仮想通貨取引所の場合はユーザーの仮想通貨預金を他の機関に預け入れたり、顧客保護のため損害保険に契約することも義務付けられる。

また、戸別訪問や営業による仮想通貨の販売および仲介も禁止される。仮想通貨による相場操縦やマネーロンダリングなどの違法行為を厳罰化され、禁止項目に違反した場合は、最長5年の懲役、もしくは最高5000万ウォンの罰金刑を科せられる。この改正案は、仮想通貨が法定通貨とは異なることを示している。

9月に行われる国会の定例会でBitcoin Regulation Actが予定されており、これについての議論も増えている。このような規制がされれば、仮想通貨市場に与える影響も少なからず出てくるだろう。法整備により、安心して取引ができるようになるのは良いことだが、それにより韓国での市場縮小なども考えられる。今後の動向も注意深く追っていきたい。