仮想通貨をめぐるトラブルは挙げればキリがない。ランサムウェアでの資金要求手段や、ハッキングにマネーロンダリング(資金洗浄)、薬物売買、HYIP、ポンジ・スキームに、ICOやプレセールを騙る詐欺など、これだけでもごく一部だ。

このような犯罪の中でも一番あってはならないことが起きてしまった。滋賀県警によると、6月中ころから行方の分からなくなっていた愛知県名古屋市西区の野田みゆきさん(53)が滋賀県の犬上ダム付近で遺体で発見された。死体遺棄の容疑で逮捕されたのは、岐阜県大垣市笠木町の西田市也容疑者(20)と18歳の少年で、同容疑を認めているという。

捜査関係者からの情報によると、野田さんと西田容疑者はビットコインに関するセミナーをきっかけに知り合ったという。最近では勉強会などといってセミナーで人が集まる場も増えてきているが、こういったところで出会った方同士でこのような事件が起こるというのは非常に残念でならない。

また、今回のセミナーの実態については詳細不明だが、暗号通貨オフ会や反省会といった場で、リアルに情報や意見交換をしあう場所も増えているようだ。

ただひとつ誤解して頂きたくないことだが、「出会ったきっかけがビットコインのセミナーだった」ということだけで、人間同士であればどこで会ってもトラブルはついて回るもの。これによりビットコインなど仮想通貨のイメージが悪くなるようなことは避けたい。

むしろビットコインはインターネット上での取引が多いため、円やドルなどの法定通貨と比較しても現実でこのように接触する機会も限られている。インターネット上の取引所だけでやり取りをしていれば、このような事態は防げたのだろうか。

県警によると西田容疑者の自宅から野田さんの私物と見られる物が出てきたため、強盗殺人の容疑も視野に入れて捜査していくとしている。