12日に1BTC/33万円台半ばまで高騰した仮想通貨のビットコイン(BTC)だが、先週の相場はかなり激しい乱高下を演じた。15日に1BTC/26万円台前半となり、一部ではこのまま値を下げていくとの声もあった。しかし、ここまでの値下げとなれば、ビットコインに買い戻しが入るのは予測どおりだった。17日、18日と一時回復を見せ1BTC/30万円台に迫る勢いだったが、これは一時的なリバウンド相場という見方も強く、本日(19日)1BTC/29万円台前半を推移しており、今後も相場を下げていくとの予測もされる。

このところ、ビットコインの過熱感は異常だ。近年まれに見る相場動向ではないだろうか。各所ではビットコインはバブルだとする声が相次ぎ、それでもこの高騰ぶりに我も、と便乗して買いに走る様は狼狽以外の何物でもない。ここ数ヶ月の暴騰ぶりは、為替や株式などをしている投資家の目には魅力的な市場に映ることだろう。

しかし、いつまでも暴騰し続ける相場などないし、「いつか必ず暴落する日が来る」と方方から言われている。それがいつかは分からないし、いくらまで下がるかを的確に言い当てるのも難しいのが現状だ。

長期的な目で見れば上がっていく傾向にあるが、今が買いのタイミングとは言い難いだろう。8月に実施されるUASF(ユーザー・アクティベーテッド・ソフトフォーク)ではビットコインが一時的に分裂化を起こす可能性も懸念材料とされ、ビットコイン以外のアルトコイン(オルトコイン)にも資金が流れる、といった話も仮想通貨投資家の間ではよく持ち上がる。

1,000種類以上ある仮想通貨市場、どのコインが突然暴騰してもおかしくない状況で市場も不安定なのが現状だ。時価総額上位のイーサリアム(ETH)やリップル(XRP)、ネム(XEM)やライトコイン(LTC)あたりであれば少額ずつ、投資してしばらく置いておくのもいいかもしれない。超短期での勝負ならよりボラティリティの高いコインに絞って狙いうちもアリだが、常にチャートにかじり付いてデイトレードができる環境であれば、銘柄はどれを選んでもさほど大差はないだろう。

しかし、仮想通貨は為替とは大きく異なり、日に30%以上価格変動することも珍しくない。このボラティリティの高さこそが仮想通貨投資の魅力だというトレーダーも少なくないが、余剰資金でトレードするならともかく、一大勝負だと資産を投げ、回収できなかったのであれば、痛い目に遭う。

情報も少なく、市場自体まだ発展途上とも言えるビットコイン。充分な知識と冷静な判断を持って、リスクを承知の上で購入するよう気をつけたい。早まって飛びつき買いをせずに、相場が安定してからの参入でも遅くはないのではないだろうか。ビットコインバブルの崩壊が危ぶまれる中、今後の相場動向から目が離せない。