現在、国内でも取り引きが盛んになってきた仮想通貨、「ビットコイン(BTC)」。連日のようにテレビメディアで取り上げられ、お茶の間を騒がせており、投資家でない方でもビットコインという名前は耳にしたことがあるはず。そして、そのビットコインのニュースは必ずしも明るいものだけではない。
ブロックチェーンの技術はメリットだけではない?
海外では自国の通貨に信用がない国や地域では法定通貨の代わりとして決済や外貨との交換などに使われているが、日本ではまだ通貨としての利用価値は少ないようだ。と、いうのもビットコインの価格が乱高下を続けているため、わざわざそのようなものと円を交換するメリットがないというのが現状。ビットコインは国や中央銀行で管理するといったこともないため、保有者同士、マイナー(採掘者)間でお互いにデータ管理をするブロックチェーンというシステムを使用している。このブロックチェーンによってビットコインの取り引きの記録など管理をしているのだが、しばしば犯罪資金の送金手段に使われる事も見られる。
例えば、最近世間を騒がせているランサムウェアだが、これに感染するとビットコインによる支払いを要求されるケースが多い。これが現金で口座に振り込むような要求であれば、口座名義から犯人の特定につながるが、ビットコインではこれに当てはまらない。この例は簡単に説明したものだが、ようするにそれだけセキュリティが強固で、さらにデータの転送も早いため、海をまたいだ国際間での送金にも適しているため、大手企業や銀行もそのシステムを通貨以外で応用するなど利用価値を見出している。
今回のビットコイン相場は暴落する可能性が高い?
上述したが、国内では通貨として消費者側に利用価値は少ないが、投資対象としては圧倒的に注目を集めている。主にFXをしてきた個人投資家たちがチャートを睨みながらビットコインを買い集めているようだ。現在(6月7日時点)の相場には賛否両論分かれている。投資なので意見が別れて当然だが、テレビ東京で6月6日に放送されたWBS(ワールドビジネスサテライト)では、2015年12月からビットコイン投資をしているという個人投資家が出演し、元手1,000万円を“億の資産”に増やしたという。これに対し日本デジタルマネー協会代表理事の本間氏はここ数ヶ月のバブルとも言える状況を危惧し、「誰が買っても儲かるということで参入者が増えた」「今回の相場は間違いなく暴落する」と述べた。
本間氏がいうところの“暴落”のラインがどの水準までを指して言っているのかは明言しなかったが、ここ数ヶ月の暴騰は異常なので、いくらかは値を下げるだろう。あくまで“今回の相場”ではあるが。
ビットコイン暴落が与える仮想通貨市場への影響は?
また、ビットコインが暴落した後、ビットコイン以外の仮想通貨への影響の方が深刻かもしれない。ビットコインは仮想通貨市場で時価総額1位だが、これまでビットコインを主軸に投資してきたトレーダーたちが、時価総額2位に位置するイーサリアム(ETH)や国内で人気のリップル(XRP)などに鞍替えをすると想定される。その他のアルトコインにしてもしかりだ。本日ビットコインは値を下げているが、このまま下げ続け、暴落の一途を辿るのか。市場では相場動向が注目されている。