仮想通貨(暗号通貨)のビットコイン(BTC)が高騰を続けており、投資家たちの注目を集めている。2016年6月1週目では6万円台前半だったが、今年6月7日時点で31万円台後半。この1年だけでも約5倍も値が上がっており、まだ稼ぎたいと多くの投資家たちが目を光らせている。個人投資家に多く見られるが、短期的に多く利ざやを抜こうという考えは少し待ったほうがいい。

長期保有を考える方の中には「あの時に◯◯円分買っていれば…」と妄想で悔いている方もいるが、投資に“たられば”を持ち込むのはご法度であり、愚かな考えと言える。2010年ころは1ビットコイン5円前後で購入できたが現在1ビットコイン30万円前後で売れるなんて、誰が予測できただろう。株でも金でも相場の付くものであればなんでも同じだ。しかし、それにしても7年で6万倍はスゴい、これが7年後、さらに6万倍の値を付けるだろうか。到底そうとも思えないし、「30万円だ」「50万円だ」と天井を予測する投資家もいるが、どれも根拠に欠けるため、判断が難しい。

ビットコインに限らず、同じく仮想通貨の「イーサリアム(ETH)」も値を上げている。仮想通貨全体的に高騰したことで話題とあり日本国内での取り引きが増え、今まで影を潜めていた仮想通貨市場に一時的にスポットライトがあたっているだけのようにも感じられる。もちろん他にも要因として、2月にJPモルガンやマイクロソフトといった企業がイーサリアムの標準仕様をつくるための企業連合を立ち上げることを発表し、買いが集まったとの見方もある。

しかし、根拠なく買いに走る例も少なくない。主に日本円での買いが増えているようだが、この熱狂ぶりはなんだろうか。バブルを危惧するかたわらでは、両手をあげて喜び勇む声も多い。仮想通貨の仕組みはよくわからないけど、買ってみたら儲かったという方も多いようだが、なんだかわからないものにお金を出すのは危険過ぎやしないだろうか。そもそもビットコインなど仮想通貨は海外送金の手段や、国が発行する通貨に信用が欠ける地域での代替通貨としても使われるが、日本国内での存在意義は投機でしかない。

乱高下が続いているため、一時的に利ざやが抜けたとしても無事に売りぬくのは難しい。これからビットコインの購入を検討している方はカモにならないよう気をつけていただきたい。注目が集まっている今、目先は様子見だろう。とくにこういった時は売りが集中しやすいため慎重にならざるを得ない。今後の相場動向が注目されている。