ノルウェー政府は暗号通貨マイニングの環境への影響を制限する方法を検討しており、欧州におけるプルーフ・オブ・ワークマイニングの禁止といったスウェーデンの提案を支持する可能性について言及した。欧州委員会はSDGsの波を受け、「より持続可能な」プロトコルへの以降を促進するためにすでに取り組んでいることを明らかにしている。

ノルウェー当局は環境に対する暗号通貨マイニングの影響に対処するための潜在的な政策措置について検討していることをノルウェーのビョルン・アリルド・グラム担当大臣が示しており、スウェーデンが最近提唱したソリューションを調査し、環境保全への取り組みに採用するか検討しているという。

グラム大臣は「暗号通貨マイニングとその基盤となるテクノロジーは、長期的にはメリットをもたらす可能性がありますが、今日の再生可能エネルギーの広範な使用を正当化することは困難です。」と述べ、持続可能性に疑問を呈している。

ノルウェー・スウェーデンが特にこの施策に乗り気な背景に、冷却効率の高い寒冷地で比較的低い電気料金を維持できている土地柄もあり、過去数年間で暗号通貨マイナーから人気のある場所となっている点も大きい。また、ノルウェーは豊富な再生可能エネルギー資源を誇り、欧州経済領域の非家庭消費者に最も安価な電力を提供し、そのエネルギーの90%以上が水力発電から供給されている。

グラム大臣はそこで、スウェーデンの金融当局、および環境保護当局が欧州連合全体でプルーフオブワークマイニングの禁止を求めた際の声明を引用した。スウェーデンではマイナーによりエネルギー使用量が数倍に膨らんだと述べている。

マイニングによる再生エネルギー使用量の圧迫は、パリ協定の目標を満たすための能力を脅かしているとスウェーデンは主張。同様にマイナーによって電力使用量が押し上げられたノルウェーもスウェーデンに賛同した形となる。

グラム大臣は「全体として私達の再生可能エネルギーは価値を生み出し、気候変動のない社会への移行を支援する方法で使用されることを望んでいます。」と語り、再生エネルギーは気候変動対策のために用いられるべきだと強調した。

一方でEUにはスイスのツークやマルタなど分散型テクノロジーへの投資、誘致を目指す立場を取る場所もあるため、大義名分があれども合意を得るのは一筋縄ではいかないだろう。