日本政府は近く閣議決定する経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の検討を盛り込むことが報じられた。1月には日銀が他国の5中央銀行などと共同研究をはじめており、政府も日銀と足並みを揃え米欧との協議を本格化させていく。
骨太の方針とは経済財政政策の基本方針であり、実現へ向けた動きは大きく加速されることとなる。本方針には日銀が技術的な調査のための実証実験を始めること、また各国と連携しつつ検討すると明記される。
CBDCの発行を決定するのはあくまで政府であり、日銀はCBDCについて共同研究に着手するなど、検討は進めているものの、これまで「発行する計画はない」といった見解を示している。
CBDCの発行に関してはデジタル人民元の研究、実証実験においても中国が先んじているが、コロナ禍で逆風に立たされている中国のCBDCがクロスボーダー決済でどれだけイニシアチブを取ることができるかが課題として挙げられる。
各国主導による官製デジタル通貨が普及することで民間系仮想通貨へどういった影響が起こりうるか。単なる利便性だけであればCBDCでも十分需要を満たすことは可能と思われるが、マイナンバーと資産の結びつきなど、中央集権を懸念する人々への需要に応えるためにはビットコインを代表とする仮想通貨の役割は大きいものとなるだろう。
また、官製主導によりインフラが整うことで民間仮想通貨の利便性がたかまる可能性もあるだろう。