仮想通貨ギブアウェイ詐欺が予てより問題となっている。概要としては「特定の仮想通貨アドレスへ宛てて送金をすると、送金額よりも多くの金額を直ちに返送する」といった旨の謳い文句で送金を募り、そのまま返送することなく逃亡するのが大まかな手口となる。

概要だけでは何故騙される被害者が現れるのかがわからないほど怪しいロジックにしかみえないが、思わず仮想通貨を送金したくなるストーリーが隠されている。

Twitterを騒がせた大規模ハックもそのうちの一つとなる。

16日未明、多くの著名人のアカウントがハックされ仮想通貨ギブアウェイに準ずるツイートを一斉に投下させられた。本来なら一笑に付すような文面も、世界に名だたるセレブによるツイートであれば、コロナ禍で苦境に立たされた市民に救いの手を差し伸べられたのだと勘違いする人々がいてもおかしくはない。

ハックされたアカウントの中には二要素認証を使用しているアカウントも含まれており、単なるパスワード流失ではなく、さらにシステムサイドのハッキングであることが想定されている。

数年前にはバズツイートを利用して悪意のあるアプリを承認させ、一斉にツイートをさせる手口がTwitterで流行したが、今回は内部システムへのアクセス権を持つ一部の従業員の権限を横取りしたソーシャルハックである可能性を検出したとTwitter社公式アカウントから発信されている。

今回、著名なアカウントを大規模に操作したために甚大な問題へと発展したが、同様の手口を巧妙に発覚しづらく行われる可能性が今後残されており、抜本的な対策が行われない間、Twitterが信頼を落とすことは間違いないだろう。

今回の仮想通貨ギブアウェイで問題のビットコインアドレスへは合計で13BTC弱が送金されてしまった。

日本国内でのオレオレ詐欺などの特殊詐欺同様、仮想通貨ギブアウェイ詐欺の終結はまだ先のこととなるだろう。仮想通貨の送金を求められた際には今一度送金先アドレスのアカウント情報や、送金するだけの根拠を確かめてから行うようにしたい。