北朝鮮が独自の仮想通貨を発行する計画を進めている事が、30ヵ国以上に支部を有するアメリカのメディアVICE Newsによって伝えられた。

北朝鮮の仮想通貨カンファレンスを取り仕切るアレハンドロ・カオデベノス氏がその詳細を話しておりウォンそのものではなく、それとは別に仮想通貨を作るという。

ちなみに仮想通貨とウォンと結びつける予定はないとも答えている。

仮想通貨を作る理由としてはアメリカからの経済制裁を回避する為だと指摘されており、北朝鮮は4月にブロックチェーン・仮想通貨会議を開き、専門家から意見を伺ったり外国の企業が集まったという。

また仮想通貨の計画のベースには、ベネズエラの仮想通貨ペトロがあるとされている。

ペトロは2018年に公開されたが、ベネズエラの主力である石油と連動する事が注目の的となっていた。しかしペトロの公開を機に様々な経済の混乱が発生し、ベネズエラ政府の応対を非難する声も殺到し、ペトロは「詐欺」と呼ばれるまでの事態にまで発展している。

しかし北朝鮮の場合はベネズエラと異なり、自国のものと連動させる予定はないとしているが、一連のペドロ騒動を反面教師として見ている部分があるのは間違いないだろう。

とは言え仮にベネズエラを反面教師にしていたり回避目的で作っていたりしても、その北朝鮮の仮想通貨の価値は危うい事だろう。

アメリカから経済掌握を掛けられているイランは、自国内にある仮想通貨は掌握の例外とはなっていない。

また北朝鮮は否定しているが、アメリカや韓国、日本などに向けて大規模なハッキング攻撃を行っている疑いがあり、5億7100万米ドルほども盗み出したとか、20億ドルも強奪しただとかそういった話が絶えない。

ただでさえアメリカに限らず様々な理由で制裁を受けている北朝鮮が、仮想通貨だけは見逃してくれるとは考えられない。オリジナルの仮想通貨を作り上げた…それだけで話は終わらないだろう。

参考:VICE News