仮想通貨のマイニングについては電力の不安定化が懸念されることで国によっては禁止される措置が取られているが、イラン政府は28日、仮想通貨のマイニングを正式に商業行為として承認した。先日も同様の発表があったが、今回イラン政府による正式な承認が降りた形となる。
今回正式に承認されたことで、今後マイニングを実施する事業者は同国の産業鉱業省からライセンスを取得することでマイニングが可能になる。
石油の産出国であるイランでは他国に比べ電気代が安いため、膨大な電気を消費するマイニング事業が認可のない状態でも盛んに行われてきた経緯がある。
そうした要因から、このままでは電力供給の不安定化を引き起こす可能性があるため、マイニングの電力価格については議論が行われており、メヘル通信社によると現在の価格は1kWh(キロワット時)あたり2セントだが、政府はマイニングに使う電力は7セント前後を示唆している。
ランニングコストの多くの部分を占めるであろう電気料金が相場の3倍超に及び、採算性が危ぶまれる中でだれがマイニング事業に乗り出すか注目される中でシェアを狙っていると目されているのが中国のマイニング業者だという噂が出てきている。
中国ではマイニング事業に対して、コスト削減のために水力発電による自然エネルギーを活用する流れが出てきているが、中国当局からの規制の厳しさに頭を悩まされているため、もし採算性が合うのであれば、マイニングに対して正式に国が認めるイランは魅力的な環境といえるだろう。
イラン政府にとってもマイニングにおけるビットコインなどの税収入が見込め、経済制裁の影響を緩和させることにもつながり、お互いウィンウィンの関係にもなる。
今後イランでのマイニング事業において世界中から投資が増えていけば、独自の経済発展にも繋がっていくかもしれない。