日本の独立行政法人である国民生活センターによれば、仮想通貨やネット副業に関するマルチ商法が増加しており、特に若者を中心に相談件数が増えてきているとし、注意を呼びかけている。全国の消費者生活センターなどに寄せられるマルチ商法に関する相談では以前は、化粧品や健康食品など現実に商品があるものが多かったが、近年はファンド方投資商品や副業といった情報商材に関するものが多くなっているようだ。
特に多く見られるのが、友人やSNSを通じて仮想通貨投資、海外事業投資、アフィリエイトなどの儲け話を受けて、他人に紹介することで報酬を受け取ることができると勧誘されるケースだという。このような場合は事業者の実態や儲かる仕組みも不透明であることが多く、解約や返金の交渉も難しい。
具体例として仮想通貨ウォレットの事例が紹介されており、国民生活センターからのアドバイスとしては、実態の不明な相手と不用意な契約を結ばず、安易にクレジットカードでの決済や借金などはしないことを勧めている。2017年にビットコインが高騰した折に、クレジットカードでの仮想通貨購入が相次ぎ、引き落としがされるころには元本割れし、実質借金を背負うような形も多数見受けられた。
その結果クレジットカードでの仮想通貨購入を停止する取引所も増え、投資への姿勢を正す必要性が再注目されたが、自主規制レベルのため個人間取引でクレジットカードを禁止することは出来ないため、マルチ商法に脇の甘さを狙われた格好となる。
たとえ友人からの誘いであったとしても反対に救いの手を差し伸べる気持ちで情報をきちんと把握しておく必要がある。
また、大手仮想通貨取引所とまったく同じデザインを騙るフィッシングサイトも登場するなど、古典的詐欺の手法を仮想通貨に当てはめるようなムーブメントが続いている。
それだけ仮想通貨に投資したい意欲のあるユーザーが多いとも言えるが、狙い撃ちにされないように慎重な行動が求められている。
参考:国民生活センター(PDF)