リップル社がブラジルに新しくオフィスを設立し、南米地域に事業拡大を図ろうとしている。
正式には今年6月に行われるブラジル・サンパウロで開催されるフィンテック関連イベント、CIAB Febrabanにて発表される予定としている。
新しく設立されるブラジルの新オフィスには以前、金融機関向け保険サービスの販売を手がけている保証サービスプロバイダーであるTHE WARRANTY GROUPのブラジル子会社でCEOを務めていたLuiz Antonio Sacco氏が主導して事業を展開していく予定だ。
既にRippleNetに参加しているブラジルの金融機関としてサンタンデール・ブラジルやビーテック・グローバル、さらにレンディメント銀行などがあるが、これら金融機関の実績が通じ、他の多くの銀行や金融機関が参加することにも期待できるだろう。
目的としてただ金融機関に対して問題解決のソリューションを提供するのみでなく、教育やトレーニングなども行っていく予定としており、2つの機関に属する15人以上の教授と協力して、法律やビジネス、さらにエンジニアリングなどのいくつかの分野における研究と技術開発の支援もしていくとされている。
現在、南米地域においては経済に関する問題が山積みだ。ベネズエラに関してはハイパーインフレを起こし、マドロス大統領政権に嫌気を指している国民が抗議活動を繰り返し、自国通貨に対しても信用できないとしてビットコインの購入や匿名通貨のダッシュ(DASH)などの需要が伸びてきている。また、アルゼンチンでは自国通貨ペソの通貨危機に見舞われている。
南米地域でのこのような問題を解決する糸口としてリップル社が乗り出し、金融の安定化に貢献していくことになるだろうか。今後の展開に期待したい。