ステーブルコイン、テザー(USDT)疑惑に関連で市場を騒がしている仮想通貨取引所Bitfinexが13日、計画通りにイニシャル・エクスチェンジ・オファリング(IEO)にて10億ドル(約1,110億円)相当を調達した事を発表した。

Bitfinexは独自のトークンであるレオ(LEO)を発行して10億テザーを調達したが、調達に要した期間がたったの10日であったためにBitfinexのパオロ・アードイノCTOは「我々は信用されている」と自信のある発言をした。

IEOは普段馴染みのない言葉だが、私たちがよく知っているICO(イニシャル・コイン・オファリング)とは異なり、取引所の利用者にしか売買できないプライベートセールとなっている。

調達した資金については、先月末に8億5,100万ドル損失の補填のために使うと見られる。Bitfinexは過去にテザーの価値の裏付けが本当にあるのか疑いを掛けられていた経緯がある。

Bitfinex側は昨年巨額のテザー(USDT)をテザー・トレジャリー(金庫)に移したが、信用問題により一時期1テザーが0.85ドルまで下落したことにより、テザーがステーブルコインとしての機能を果たせない状況へ進んでいったことは記憶に新しい。

Bitfinex側としてもあらゆる理由を説明し、投資家に対する信用を無くさないよう努力を尽くしていた。今回のIEOによって補填されることが確定したために、Bitfinex側の信用問題は回復へと進んでいくだろう。

現在ビットコインなどの仮想通貨が上昇傾向になっていることもあり、他の取引所よりマイナスイメージを早い段階で払拭できる方向になったため、テザー及び、独自トークンのレオがどのようなメリットを出していくのか注目とも言えるだろう。