仮想通貨取引所ビットポイントの親会社リミックスポイントが2018年4月~12月の決算を発表した。

ビットポイントの売上高は前年の同期と比べ44.1%増の20億300万円の利益であったが、営業利益は93.9%減の5,900万円となった。営業利益を下げた理由としてマネーロンダリング対策(AML)などのシステム構築費用やマーケティングコストの増加があったとしている。

リミックスポイントの連結決算については売上高が98億6,700万円だったが、販管費が大幅にかさみ、営業損益は3億900万円の赤字となった。

ビットポイントは日本の仮想通貨交換業者として先発組であるため、度重なる日本の金融庁からの指摘に従いコストがかさむ結果となったと見られている。これにより監査役会設置会社への移行によるガバナンス強化を進め、情報セキュリティ格付けの取得、セキュリティーシステムの導入を行い、投資家に対する取引への信頼性を高めた.

ビットポイントがこれほどまでにシステム強化を目指した理由として金融庁から昨年6月に業務改善命令を受けたことがある。

経営管理態勢構築やマネーロンダリング対策などの6項目にわたる対応が求められており、ビットポイント側はこの要求に対抗するのではなく、処置をするとして7月に業務改善計画を出し、9月以降には毎月の進捗状況を報告をしている。

これにより投資家に対し安心感を与えるとともに、業者としても本気に仮想通貨業界に向き合っていることがわかる。

連結決算が赤字になっているにも関わらず、リミックスポイントはさらに今年1月末に新会社であるスマートフィナンシャルを設立することを発表し、セキュリティートークンの取り扱いも考えており、最終的に第一種金融商品取引業への登録を目指すとしている。

金融庁側も仮想通貨交換業者に対しある程度の方向性、ルール作りが決まりつつあるため、これからはそれほど大きなコスト加算は見られないことも考えられる。いずれリミックスポイントは連結決算で黒字を計上していくことだろう。新しい試みを仕掛けるビットポイントの今後の進捗には注目だ。

参考:リミックスポイント(PDF)