米ニューヨーク州に本社を置くコンピュータ関連製品やサービスを提供する大手のIBMは8日、量子コンピューターを世界で初めて商用化したことを発表した。

この新製品はQ System Oneと呼ばれ、従来のコンピューターとは根本的に異なるつくりになっており計算能力が大幅に向上されているという。

高い計算能力を持っている量子コンピューターに対し、以前からビットコインなどの仮想通貨に大きな影響を与えるとして仮想通貨市場が崩壊してしまうのではという噂は流れていた。

いくつかの仮想通貨、例えばNEOやADAなどは量子コンピューターへの耐性が備わっているとして認知されているが、現状、一部の仮想通貨にしか耐性がないことから、市場関係者は口にしなくても量子コンピューターが今後出てくるかに対して少々恐怖心を覚えていたに違いない。

ではIBMのQ System Oneはどんな性能かと言えば、非常に繊細で操作が難しい事から、クラウド経由にてアクセスする事になっており、実際のところビットコインの脅威にならないといった意見も多く見られている。

量子コンピューターに詳しいメリーランド州のアンドリュー・チャイルド氏によれば、大きな変化をもたらす製品ではなく、将来のためのテスト用マシンとの位置づけをしている。

IBMは今年、ニューヨークにて商用クライアント向けの量子コンピューティングデータセンターを開設する計画をしており、この分野の開発はさらに活発になってくると見られる。

ビットコインも以前、スケーラビリティ問題に解決するためにSegwitを導入した事もあり、いずれ量子コンピューター関連の技術を導入していく事も考えられる。

法定通貨とは違い仮想通貨はテクノロジー技術が伴う通貨であることから、仮想通貨が脅かされず、むしろ今後、法定通貨の方が影響が大きくなる可能性があることだろう。

参考:Bitcoin.com