エンターテイメント業界にてブロックチェーンを推進する流れが起きている。ハリウッドでエンタメ業界を代表する複数の企業がブロックチェーン技術の採用を促進するためにBlockchain Global Entertainment Alliance(BGEA)が設立された。ブロックチェーン技術によって違法コピーなど著作権の侵害から守るだけでなく、ビジネスの在り方について根本的に変える可能性があるとして期待されている。
著作権関連以外にも資金調達や権利管理、支払い、契約など、ブロックチェーン技術を使用する企業や団体を支援することを目的としており、エンタメ業界にて主導権を握って行く目論みがある事がわかる。
エンタメ業界と言うと米国が主流な印象を持ちやすいが、BGEAのメンバーにはシンガポールやポルトガル、スカンジナビアなど世界有数のエンタメ関連企業が参加を表明している。
BGEAの創設メンバーであるPurely.Capitalのウェイン・マーク・ゴッドフリー氏によれば、現在のエンタメ業界のコンテンツがデジタル端末に配信されているにも関わらず、記録や管理、転送、ライセンス、収益などは時間のかかるアナログ処理がされており費用のわりに回収のムラがあるのを指摘している。
エンタメ業界はとにかく著作権絡みによる収益が全うに受け取れていない部分があることからブロックチェーン技術による著作権確保と言う面には画期的と言えるだろう。しかし同業界には画期的と思う反面、懸念する場面もある。違法コピーによるコンテンツの認知度の縮小の面だ。
違法コピーは著作権侵害と言う影響がある反面、コンテンツが格安で市場に出回わりやすいメリットを持ち合わせている。
高額で映画館で視聴するより格安で家で見ることができるため経済的に問題があるところには認知されやすくなっていた。それをブロックチェーンによって規制線を設けすぎるとコンテンツ普及にブレーキを掛けてしまうことにもなる。
そうとなれば、コンテンツが市場にうまく広がりを進めていく事を妨げてしまうため、どのようにコンテンツを普及させていくのか、新たなビジネスモデルが必要と言える。
著作権を守るのに適している反面、どのように人々に認知、購入に結びつけるか難しいかじ取りが同団体に今後必要になってくることだろう。