イーサリアム(ETH)の価格は12月に年間最安価格となる79ドルを記録し、最安値を更新する値動きをみせた。リップル(XRP)に時価総額で追い越されており、依然として厳しい状況ではあるが、24日には一時150ドルまで巻き返しており、レンジ相場を形成している状況だ。

来年1月にはマイナーアップデートとなるコンスタンティノープル実装を控えているが、イーサリアムからの新たな一手を待ち望む声は少なくない。そこで今回は2019年のイーサリアムに対して問いたい5つの質問と解答を下記にまとめました。

1、DAppsやスマートコントラクトはどうなったの?

イーサリアムは、ブロックチェーン上に分散型のアプリケーション(DApps)を開発するためのプラットフォームである。そしてブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行できることが特徴である。

ユーザー体験を向上させるためにたくさんのDAppsのプロジェクトがある。例えば、ユーザーが自分の16進数のウォレットアドレスを一つのドメイン名に変えることを可能にするソリューションENS(Ethereum Name Service)や、DAppsをシンプル、かつシームレスに繋ぎ、トークン間の決済を簡易化したKyber Networkなどがある。

しかし、DAppsの普及には、仮想通貨取引所に登録し、仮想通貨を購入し、取引所から任意のウォレットに送金するなどハードルが高いという印象もある。イーサリアムは近年、優秀な技術者以外だけでなく暗号学者の協力などにも力を入れているというが、来年はどのようなソリューションが提供できるのかが気になるところだ。

2、ICOはもう終わったのか?

ICOは仮想通貨業界で起こった最高且つ最悪な出来事であったと言えよう。いずれにせよ、ICOがこの業界への関心を高め、イノベーションを促進し、普及を促進するきっけかとなったのは事実だ。

2017年に、企業はICOルートを通じて55億ドル以上を調達し、2018年の最初の3ヶ月で、それはピーク時の63億ドルに達した。しかし、イーサリアムが暴落し、ブロックチェーンの構築、起動、およびメンテナンスを支援した多くの開発者は、彼らの明るい心、ビジョンと共に去っていった。

ただ、経済的利益のためにそこにいた開発者を除外することができたのは良いことで、現在の市場を乗り越えるために伝統的なベンチャーキャピタルのファイナンスに切り替える仮想通貨関連企業も増えてきたのも事実。今後もICOは衰退していくのか、それとも新たなかたちで生まれ変わるのか。注目されるところである。

3、イーサリアムのコミュニティがバラバラにならず、一体となって成長していくにはどうすればよいのか?

今後は、イーサリアムの丈夫さが問われるだけでなく、コミュニティとしてどのように進化していくかが問われることになっていくだろう。イーサリアムが生き残っていくには、コアとなる開発者たちが共通の原因に向かって取り組んでいく必要があるだろう。

ビットコインは現在最も利用されているブロックチェーンかもしれないが、開発者は絶えず互いに競い合っており、意見の違いがハードフォークを生むこともある。共同作業を余儀なくされ、ソリューションを見つけるために協力することに集中することができるのはイーサリアムの強みでもある。

匿名の創始者であるサトシ・ナカモトのビットコインと違い、イーサリアムは共同創設者が明確で、創始者は今年第4回目となるイーサリアムの開発者のための会議、DevConのようなイベントを通して友情の意識を集め、積極的にエコシステムに取り組んでいる。一体感を持っているコミュニティではあるが、、今後コミュニティがより成長していくにはどのような取り組みが求められるのかが問われるところである。

4、仮想通貨の信頼を取り戻すにはどうすればよいのか?

ICO詐欺が多く発生したため、テクノロジーの真の素晴らしさを理解することが出来なかった新参者はたくさんいる。今思えば、コミュニティは新しく参入してきた消費者たちをこうした詐欺から保護するため協力しあうべきであった。

数ある詐欺の中から本物のプロジェクトを見つける方法についてコミュニティを教育することは重要である。そのためには、参入してきたばかりの初心者に対し、多くの材料とリソースを提供する必要がある。

私たちのほとんどが伝統的な金融エコシステムの中で育ったということを忘れてはいけない。仮想通貨の世界で同様のものを構築することは時間がかかるだろう。消費者の保護を含め、今後どのようにして信頼を取り戻していくのか真価が問われるところだ。

5、どうすればより良いBUIDLを設定できるか?

ビットコインが世間の注目を集めるのに約10年かかった。着実に考えられたアプローチが必要がであり、適切な基盤を築くために、チームは強力な開発者の育成に力を入れながら、サポートツールを構築するために戦略的にリソースと資金をどのように集めるか検討していく必要がある。コミュニティは関心を持ち続け、定期的に製品開発のマイルストーンを打つことが必要となってくるだろう。

イーサリアム上のDApps開発などで有名な企業であるコンセンシスは7日、従業員の13%の解雇を行うことを明かし、人材流出が続いている。よりよいBUIDLを目指すのは厳しい状況ではあるが、こうした状況の中でいかにして進化していくのかが試される。

参考:CoinDesk