米大手仮想通貨取引所であるクラーケンが公式ブログで、ビットコインキャッシュのハードフォークに伴い分岐した2つのコインをサポートをすることを明らかにしたが、片方のビットコインSVについてはリスクが非常に高く、そして多くの注意を要すると取引に対して自己責任で運用するように警告を促した。

今回注意喚起を行った要件は以下の通り。

リプレイプロテクションをサポートする既存のウォレットがない。

主要なブロックのエクスプローラーでのサポートなし。

明らかに助成金を受けているかマイニング会社が損失を出している。

代表者が公然と敵対的であり、他のチェーンに脅威を与え得る。

チェーンの生存が、他のチェーンと相互排他的である。

ウォレットのサポートが限られているため、供給が一時的に制限されている。

大規模な保有者の中には、早急に廃棄している人もいる。

クラーケンはごくわずかのコードレビューしかしていない。

クラーケンと言えば、日本においてMt.GOXの破産管財人の受け皿として請け負ったことで知られており、その後の対応にユーザーからは高い信頼を得ている取引所でもある。そのクラーケンがビットコインSVの取り扱いに警告を発した事はユーザーとしても耳を傾けておくべきであろう。

ビットコインSVはビットコインキャッシュのアップグレードに伴い、ビットコインABCとの激しい対立があり、11月15日に誕生した。SV側はクレイグ・ライト氏や同氏の企業であるnChainが主要な支持者であり、ビットコインABCはロジャー・バー氏やマイナーとして有名なViaBTCが支持している。

仮想通貨市場では通貨によってトップ同士の激しい対立が見られる事もしばしば。通貨の性能は認められつつも市場から冷ややかな見方をされるケースもあるため、関係者からは取り扱うのは控えめにしようと敬遠されがちだ。

また、今回のビットコインキャッシュの派閥争いを受けてPoW(プルーフ・オブ・ワーク)のシステムで成り立っている通貨を危険視する意見も少なくない。

現在、多くの仮想通貨取引所は双方の取引を停止しており、今回の事態を沈静化させるには時間と双方のトップが説得力のある説明を関係者に話す場を設ける必要があると言えるだろう。

参考:Kraken