英国経済紙のFinancial Timesは17日、スイス最大の証券取引所であるスイス証券取引所が、複数の仮想通貨の価格をトラックするETP(Exchange Traded Product、上場取引型金融商品)の取り扱いを世界で初めて開始されることを発表した。

ETPとは、証券取引所で日中取引されるETF(上場投資信託)やETN(上場投資証券)、ETC(コモディティ上場投資信託)などの総称で、特定の指標の値動きに連動して運用成果を得る金融商品のことをいう。

今回スイス証券取引所によって発表されたETPは英国ロンドンに本拠を置くフィンテック企業のAmunにより提供されており、商品名は「Amun Crypto ETP」と呼ばれ、複数の仮想通貨の価格が指標となる。Amun Crypto ETPはBitcoin(BTC)に資産の半分を投資し、残りの半分はRipple(XRP)、Ethereum(ETH)、Bitcoin Cash(BCH)、Litecoin(LTC)へと分配される予定となっている。

AmunのCEOであるHany Rashwan氏は、Financial Timesの取材でETPについて以下のように述べた。

「証券にのみ投資することに限定された機関投資家、またはデジタル資産に預金を預託することを希望しない機関投資家へ向けて提供します。また、現行の規制上の障害のために取引所にアクセスすることができない個人投資家へも提供します。」

米国ではビットコインETFが大きな期待を集めているが、ETF可否判断は現在も続いており未だに実現に至っていない。そんな中、米国に先駆けてスイス証券取引所がETPを承認したことの意味は大きいだろう。Rashwan氏の言うように機関投資家へ向けてサービスが提供され始めれば、市場が盛り上がる可能性も十分に期待できる好材料だ。

参考:Financial Times