仮想通貨の中でも最近話題となっているステーブルコイン。主に法定通貨によって価値が裏付けられているものが多く、ボラティリティが抑えられることから様々な活用方法が期待されている。
そのステーブルコインが今回、イスラム法(シャリーア)に基づき発行されることがわかった。スイスに本社を置くフィンテック企業、X8 AGがシャリーアに準拠したイーサリアムベースのステーブルコインのための認証を受けているという。
イスラム圏ではビットコインなどの仮想通貨はシャリーアに関わるとして取り扱うことを禁止する国が多いが、今回シャリーアに準拠するステーブルコインが発行されれば、イスラム圏の経済にも大きく影響をもたらすことになるだろう。
X8の共同創業者であるFrancesca Greco氏によれば、今回のステーブルコインは8種類の通貨と金によって裏付けられており、これによって一部のイスラム法学者が懸念としているボラティリティなどの問題に対処できると考えている。
実際、トルコやイランにおいては通貨危機や経済制裁の影響により、国民が国の通貨に信用を持てなくなる現象が起きており、ビットコインなどの仮想通貨市場に流れ込んでいる現状がある。同国の関係省庁にとっては自国の通貨がさらに弱くなることを懸念し、取引を禁止・管理するとしているが、その流れは止まらない。
しかし、国が今回のシャリーア準拠のステーブルコインを認めるようであれば、宗教的観点からは容認しようと考えるようになり、さらに同国の通貨を官製通貨として発行する際にも参考となっていくことだろう。
参考:Reuters