値上がり、または値下がりのきっかけとなるようなニュースがないこともあってか、ここ数週間ビットコインはいつになく安定している。

ウォールストリートの経営戦略会社、ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズの創始者である、トム・リー氏は、29日のCNBCのインタビューにて最近の株式市場の動きと並列して、仮想通貨のボラティリティ(価格変動)が低下している点について自身の見解を語った。

株式市場の一般的な傾向だけでなく、価格が依然として米ドル建てである点に直面しているにも関わらず安定性を見せているビットコイン。「安全な避難場所なのでしょうか?」という記者の質問に対し、リー氏は以下のように答えた。

「ええ、そうですね。最近の株式市場の変動からすればビットコインのボラティリティは高くなってもおかしくないですが、新興市場株も下がっている中でビットコインは安定しており、相対的なパフォーマンスが非常に良いです。時価総額の面で考えると、ビットコインの変動の小ささには驚かされていると同時に、嬉しく思います。」

今年8月にはビットコインは6,000ドルで底値をうち、今年中には2万ドルになるとも予測していたリー氏。ここ10ヶ月はビットコインを元気付けるような金額の流入水準は見られないが、BakktやFidelity、ErisXといった機関投資家向けの仮想通貨サービスが展開し始めれば、それも今後は変わってくるとリー氏は語った。

もちろん株式市場や通貨市場の回復によっても、仮想通貨は利益を得られる可能性は高い。リー氏によれば、変動が激しい新興市場の安定性の向上が重要なポイントで、現在は「過度に売られ過ぎ」である点を指摘した。他にも、米ドルのトレンドラインを逆転させることなども、ビットコインの見通しを強化する一つの要因となると語った。

参考:CNBC