総合コンサルティング会社のAccenture(アクセンチュア)は、R3社のオープンソース・ブロックチェーン「Corda」を使用して、タイ国での銀行業務をより効率的にするブロックチェーンソリューションを開発するため、タイ国内で資産規模第3位を誇るサイアム商業銀行(SCB)の子会社であるDigital Venturesとの共同開発を今週発表した。

発表によると、新しいプラットフォームはR3のオープンソースのブロックチェーンプラットフォームであるCordaをベースに構築されており、Cordaで最初に完全に統合された手続き型支払いプラットフォームとなる。このソリューションは実際に導入されており、すでに多くのSCGのサプライヤーの取引を処理しているという。

両当事者は、プラットフォームがより高い透明度を保証し、サプライチェーンのプロセスを合理化すると結論付けた。この新しいシステムは、人的ミスを減らし、企業間の買い注文と請求を統合的にサポートするという。

AccentureのASEAN地域金融サービス部門責任者Divyesh Vithlani氏は、「ブロックチェーンソリューションの最も素晴らしい部分は、結果が実体的であることです。すべての出資者がこのプラットフォームで効率改善、コスト削減、利便性を経験しております。この成果は、クライアントとのコラボレーションの強力な証であり、市場での価値をすばやく提供します。」と彼は付け加えた。

さらにVithlani氏は、新しいブロックチェーンソリューションを採用することを選択した消費者を待つことで、出資者の効率性と透明性が改善したと述べた。また、人的ミスの可能性を大幅に軽減し、組織間の発注と請求のシームレスな統合を実現したとも語った。

Digital VenturesのCEO、Orapong Thien-Ngern氏は、ブロックチェーンソリューションについての彼の考えを述べた。

「これは、多くの価値を提供してくれる画期的な技術です。ほとんどのサプライチェーンには様々なサプライヤーが関わっており、各社のすべての異なるシステムを統合して調整するのは複雑でコストがかかり、時間がかかる可能性が高いです。ブロックチェーンの技術によって、さまざまな各社の異なるシステムを統合することなくすべての情報を安全に共有することが可能となりました。」

R3はCordaというブロックチェーンソリューションをもって国際的な支払いを潤滑化させるべく活動している。タイ国においても「プロジェクト・インタノン」というCBDC(中銀発行のデジタル通貨)発行の計画も推進している。

また、リップル社とも共同でブロックチェーン技術を推進しており、以前は両社間でわだかまりがあったが、和解したことも話題となった。近い将来支払いにブロックチェーン技術が使われることがスタンダードになることだろう。

参考:Finextra