サプライチェーンにブロックチェーンを活用することで生産、加工、流通の透明度を向上させ、顧客への安心感を与えるとしてさまざまな取組みが行われている。こういった中、今度はレアメタルの分野でもブロックチェーンを利用する流れが出てきている。
東アフリカのルワンダ共和国がイギリスを拠点とするブロックチェーンのスタートアップであるCirculorと提携し、レアメタル紛争の元となっているタンタルの採掘を追跡することを発表した。
タンタルと聞いても私たちには馴染みが薄い印象だが、実際には身近なところで関わっている。例えば携帯電話やパソコン、さらにDVDプレイヤーやゲーム機など、電子機器に用いられているタンタル電解コンデンサに使用されている。
そのため、安定需要が見込めるとしてタンタル採掘は競争が激しい。日本は携帯電話の普及率が高い事から、使われなくなった携帯電話から採掘すると言う意味で、「都市鉱山」と呼ばれることもある。
Circulorは、サプライチェーンから紛争鉱物を取り除くための国際協定に定められた厳しいガイドラインに沿ってルワンダの鉱夫を支援するだけでなく、スマートフォンやコンピュータが消費者に達する前のすべての生産段階を記録するという。
今回の発表の中でCirculorのCEOであるDouglas Johnson-Poensgen氏は以下のように述べた。
「Circulorの技術は、タンタルのサプライチェーンに大きな透明性をもたらします。私たちのブロックチェーンプラットフォームは、消費者が購入する製品の材料がどこから来ているのかを理解し、倫理的に供給されていない材料がサプライチェーンを通過することを防ぎます。また、現在の鉱業のコストを劇的に削減することができます。」
今後このように明確な出所を示すためにもブロックチェーンはサプライチェーンに有効的だ。将来的にはさまざまな分野にも普及していくだろう。
参考:Circulor