ヘッジファンド運用会社Fortress Investment Groupの元ファンドマネージャーで有名な投資家であるMike Novogratz氏は、仮想通貨相場に対して強気な予想をしてきた著名人の一人だ。

しかし、16日に開かれたBloombergのインタビューの中では、慎重な見解を示した。

Novogratz氏はこれまで、仮想通貨の大量採用による市場の拡大を達成するには、制度的な関与が不可欠であるという考えを示してきた。2017~2018年にかけて仮想通貨市場は規制上の困難にぶつかっているが、Novogratz氏はビットコインの価格はある程度の水準までは回復すると見ている。ただ、2017年のATH(過去最高値)ははるかに下回るという。

その理由の1つとして、現在は新規投資家に堅実性と信頼性を提供する制度的な構造が欠如していることを指摘した。ただ、Novogratz氏は来年になればこの状況は変わる可能性が高いとも述べた。

「年末までに1万ドルを超えるのは難しいかもしれないが、Q1/Q2で機関投資家が参入してくることを考えると、新たな高値をつけるだろう。」

Novogratz氏は、米大手資産運用会社のFidelityが投資家にカストディサービスを提供することについて興奮していることを表明した。インタビューの中で彼は、ビットコイン市場の将来的な強気市場の可能性として、このニュースの重要性について語った。

「Fidelityのサービスはおそらく来年1月かQ1には稼動しているだろう。稼働してからパイプに水を流す必要があるので、第1四半期後半から第2四半期にかけて機関投資家の流入が見え始めると見ている。Fidelityによって立ち上げられたFidelity Digital Assetは、デジタル資産の包括的なサービスおよびエンタープライズ向けのプラットフォームを構築するという長期的なビジョンの第一歩である。」

Novogratz氏は今年7月には一年以内に仮想通貨市場が8,000億ドル規模に拡大すると予測している。今回はビットコイン年内1万ドルは厳しいと言及したが、長期的にはかなり強気な姿勢は変わらないようだ。今後も同氏の発言に注目したい。

参考:Bloomberg