ビットコインが誕生してからかれこれ10年近く経つが、これまで価格や市場を支配してきたと言っても過言ではない。しかし、依然として市場を苦しめている点がいくつかある。1つは“規制”であり、そしてもう1つは“採用”だ。とくに2つ目の採用については、仮想通貨が信頼できる支払手段として広く受け入れられるという意味で非常に重要な問題である。
さまざまな機関がこの採用にあたって様々な活動を行っているが、中でもモルガン・スタンレーはそれに力を入れている機関である。ビットコインに興味を持っている銀行の中でも、米投資銀行の1つであるモルガン・スタンレーは最大規模の銀行であると言えよう。商品が一般的な市場の受け入れを必要としている時、大きな影響を与えてくれる機関であることは間違いない。
13日にブルームバーグが報じた内容によると、銀行側はビットコインのエクスポージャー・オプションを顧客に提供する計画を検討しているという。ただし、顧客が直接ビットコインを所有せずに投資することができる、シンセティック契約での提供を計画しているという。この契約は、ビットコインに投資することを望んでいる顧客は“プライス・リターン・スワップ”と呼ばれる手続きを通じて、ロングとショートポジションを構築できるというものであり、銀行側は取引ごとに手数料を請求するかたちになる。
ビットコイン市場における良いニュースはこれだけではない。他にも、もう1つの大手銀行であるシティグループも顧客へビットコインベースの商品を提供する計画があることを明かした。これはゴールドマン・サックスと同様の非補完型の取引システムで、エクスポージャーによるビットコイン取引を提供するというものだ。
しかしその一方で、こうした非補完型の取引を提供することに対して否定的な意見を持つ金融機関もあり、批判家の中には、Andreas Antonopolous氏やNick Szabo氏といった仮想通貨業界で影響力がある人物もいる。
関係者の情報によると、機関投資家の需要を確認次第、また内部承認プロセスの完了後にサービスを開始するとのことだが、モルガン・スタンレーの広報担当者はこの計画についてコメントを控えている。