楽天の子会社でメッセージアプリを提供するViberのCEOであるDjamel Agaoua氏が、2019年に独自通貨である楽天コインをロシアで発行することを発表した。3日、イタルタス通信によって伝えられている。

Viberは、2010年に開発されたイスラエル発の無料通話とメッセージアプリで、2014年に楽天によって9億ドル、日本円にして約1兆円で買収された。

Viberの現在の登録ユーザは、2018年3月時点において10億人を突破し、東ヨーロッパのウクライナを初め、ベラルーシ、セルビア、中央アフリカのエチオピアなどでは国内メッセージアプリにて第1位のシェアを獲得しており、ロシアにおいては4,500万人ものユーザを抱え、WhatsAppに続き国内第2位のシェアを持っている。

今回の発表の中でAgaoua氏は、親会社の楽天によって、独自通貨の楽天コインが発行され、楽天エコシステム全体によって支えられる事になると語った。

楽天コインはViberウォレットにて管理され、ロシアの法定通貨であるルーブル以外にも米ドル、ユーロと交換することができ、Viber上で送金することが可能だ。同社の専門家はロシアにおける仮想通貨関連の法律の把握に勤しんでいるとも言及している。

今まで、メッセージアプリ各社での独自通貨についての流れは2017年にKikメッセンジャーがICOを実施して1億ドル、日本円にして約110億円近くを調達したのを始め、その後テレグラムが少数の投資家から多額の資金調達を行い、トークンを発行している。

この他にもLINEが、日米以外の国を対象にグローバルな取引が可能な仮想通貨取引所「BITBOX」の開設を発表しており、仮想通貨市場の発展を後押しするのではと注目されている。

今年2月の発表では、楽天コインを楽天の提供するポイントサービスを管理するために使われるといった内容であったが、Viber上で利用できるのであればさらなる機能の追加も期待できそうだ。

まずはロシアから発行する事でどのような流れが生み出されるかを把握することで、今後日本においてもサービスを展開していく事だろう。

参考:イタルタス通信