Ripple(リップル)社のSVP(シニア・ヴァイス・プレジデント)であるEric van Miltenburg(エリック・ヴァン・ミルテンブルグ)氏は、韓国の厳しい仮想通貨の法案を取り上げ、規制緩和の必要性を訴えた。

ミルテンブルグ氏は最近、韓国の英字紙コリア・タイムズと電話チャットをし、新興のデジタル通貨景気が同国を世界の経済大国に推進させる可能性があるという独自の見解を述べた。そのためには成長を抑えずに市場を促進させる必要があると語り、規制についても以下のような見解を述べた。

「私達は、規制とは革新を禁止したり、または盗んだりするようなものではなく、変化し、消費者を守るようなものであるべきだと考えております。」

韓国は2017年9月に、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)を全面的に禁止しており、当時中国の厳しい規制とも重なり市場にも大きく懸念材料となった。ミルテンブルグ氏によると、このように新しいテクノロジーの否定的側面にのみ焦点を当て、規制によって市場を制限する国は韓国だけではないという。

「似たような動きを他の国々でも多く見てきました。昔、インターネットが誕生した初期段階の頃も、まずは何が良くて何が悪いかを把握するまでシャットダウンするべきだ、と否定的な側面だけを見ている人が多くいたものです。」

さらにミルテンブルグ氏は、「特定のユースケースを特定し、ユーザーの保護を可能にする分野で規制を適用すること」により、より多くの利益を得るとも語った。

ICOを禁止したことで、ブロックチェーンのスタートアップは、シンガポールやスイスといった新興テクノロジーに友好的な国々にプロジェクトを移すようになり、現在も多くのブロックチェーン企業が拠点を移している。ICO禁止措置を取り消すことで韓国はうまく飛躍できる可能性があると、ミルテンブルグ氏は見解を示している。

実際、韓国ではここ数カ月でICO禁止措置を取り消すための動きが議会で見られるようにもなった。6月には韓国最高裁がビットコインを合法的に資産であると認めたことも記憶に新しいところ。このような動きから、ミルテンブルグ氏は韓国は仮想通貨市場を使って世界の金融市場のおいて強い勢力になり得ると考えているようだ。

韓国は国際金融市場においては主要な国とは言えないが、仮想通貨の取引においては世界で3番目に大きい仮想通貨市場を持っており、むしろデジタルマネーで活発に活動してきた国。

日本と韓国との間では3月にはSBI Ripple Asiaが事務局を務める内外為替一元化コンソーシアムの取り組みとして、リップル社のソリューションである、xCurrentを活用したRCクラウド2.0を開発し、日韓送金実験を成功に収めたり、同システムを使ったCoinone Transferの海外送金サービス「Cross」が発表され話題になったばかり。

韓国の仮想通貨取引に対する旺盛な需要を考えれば、もたらされるメリットは決して小さくはないようにも思える。規制緩和に向けて少しずつ動き出してきた同国の動向からは、今後も目が離せない。

参考:Korea Times