10日の昼、韓国の仮想通貨取引所コインレイル(Coinrail)がハッキングを受け、仮想通貨PundiX(NPXS)といったコインを含む複数のコインが盗難に遭い、その額は40億円相当に及ぶと言う。この報道後にビットコインの価格は下落し、直近2ヶ月では最大の下落率となった。

仮想通貨の時価総額を見ることができるサイトCoinMarketCapによると、PundiXはコインレイルで最も取引が行われていたコイン。しかし、コインレイルの報道からはビットコインの名前は挙げられなかった。

CoinMarketCapのデータによると、コインレイルは取引高が250万ドルとなっており、世界で99番目に大きい取引所ということで、比較的小規模な取引所であることが分かる。そのため、コインレイルのハッキングが今回のビットコイン急落に影響を与えたとは考えにくい。

それでも、ビットコインの価格はこれに合わせて下落。3月14日以来最大の下げを記録し、年初来の下落率は53%に拡大。仮想通貨情報サイトのコインデスクによると、その他の主要仮想通貨も次々に下落。イーサリアムは14%、ライトコインも11%以上下落し現在は104ドル付近にまで下がっている。時価総額トップ100の仮想通貨は全て下落。市場全体の時価総額は約200億ドルも減少した。

米商品先物取引委員会(CTFC)は、ビットコイン先物取引の価格操作の疑いで、Bitstamp、Coinbase、itBit、Krakenといった主要の4つの取引所を調査の対象とした。2017年12月にCMEグループによるビットコイン先物取引が開始されたが、上記の4つの取引所からのデータに基づいてビットコイン先物の値段を決定していることから、そこで操作された取引がビットコイン先物の価値を歪めた可能性も考えられている。

また、今回の調査でなにか新たな問題が発覚すれば、市場への影響はさらに甚大なものとなり得るだろう。

昨今は比較的安定していたビットコインだが、マウントゴックス管財人による売却や、サイバー攻撃、大口保有者による価格操作の疑いといったニュースによって、売り圧力の強さが改めて意識されている状況となっている。一時的なバウンドは予測されるが依然、警戒する必要はあるだろう。

参考:CNBC