インドのデリー高等裁判所がインドの中央銀行であるインド準備銀行、インド財務省、物品サービス税(GST)評議会に対し、仮想通貨を扱う企業への取引を中止する旨、インド準備銀行が決定した事に対し、憲法で違反していると主張する通知書を発行したと、インドの地元メディアであるTIMES OF INDIAが報じました。
事の成り行きは中銀が5日、銀行に対して仮想通貨取引を行う個人や企業に対してサービス提供の停止を求めたことで、今後はインド準備銀行が独自の仮想通貨を発行することを検討している事も発表しました。
この決定により署名を募るサイト、Change.orgにて請願活動が行われ、請願書公開から4日間で1万7,000人以上が署名をしています。
そしてさらに禁止令を覆そうとオンライン請願活動にて現在4万3,000人以上の署名が集まっていることから、インドでの仮想通貨への関心は非常に高いものだということが分かります。これによりインド準備銀行の決定に対し、仮想通貨関連事業のカーリー・デジタルが先週、苦情を申し立て、高等裁判所が通知を出した流れになりました。
今年8月に事業開始としている仮想通貨取引所のコイン・リコイルを運営するカーリーデジタルにとっては事業展開を止める方向に結びつかせるために、何としても阻止したいと考えており、インド準備銀行の決定は国民のあらゆる仕事、取引、または事業に携わる権利を認める19条と、対等な人たちの間の差別を禁止する憲法第14条に違反すると正式に苦情を申し立てたことで法的に対抗するとしています。
裁判官であるS・ラビンドラ・バト氏とA・K・チャウラ氏により出されたデリー高等裁判所の通知で、当事者である3機関に対して、5月24日までに回答を得るよう求めています。この決定が継続されるようであれば、インドでの仮想通貨取引所の事業は難しくなり、成功する見込みがなくなってくるとコイン・リコイル側はコメントしています。
今回の苦情によりインド準備銀行を中心とする3機関が取り下げの方向に進むのであれば、まずインドの仮想通貨取引所は次に段階に進むことができ、他の諸国の仮想通貨に関わる関係機関からも今後の判断材料として見るようにもなるでしょう。また、市場の発展にも大きな活気づけにもなると考えられます。
インド準備銀行、インド財務省、GST評議会の3機関がどのように対応していくのか、今後の展開から目が離せません。