韓国の仮想通貨取引所COINNESTの共同創始者でCEOであるキム・イクファン氏がソウル市にて身柄拘束されたことが分かりました。拘束された理由として詐欺と横領の容疑と、地元メディアが5日に伝えています。

キム氏以外にもCOINNESTの役員2名と、まだ名前が明らかにされていないもう1つの仮想通貨取引所の代表1名も拘束されたとのことです。

検察当局によれば、役員たちは何十億ウォンに相当する顧客の仮想通貨を自分たちの個人口座に移していたとし、検察側は現在逮捕令状を請求しています。

日本国内ではコインチェックのNEMハッキングが外部からの攻撃であるのに対し今回のCOINNESTの件は内部側の疑いで、それも運営側がそのような顧客を裏切る行為がされたことにより、取引所の運営側の人々の倫理観が問題になったと言えるでしょう。

COINNESTは日本の仮想通貨に関わる投資者にとってはあまり聞かれない取引所かもしれませんが、韓国国内においては取引量が6番目に多い取引所であり、1月の時点では登録利用者数は約50万人のユーザー数を誇ります。

韓国の仮想通貨市場は世界で第3位に位置しており、韓国政府側としては過熱する仮想通貨市場に対し、厳しい規制へと方向転換しようとする中で起きたため、これからの韓国での仮想通貨を巡る環境はさらに厳しくなることも考えられます。

韓国の公正取引委員会であるFTCは4日に仮想通貨取引所12社に対して付従契約の消費者保護に関する規定内容を改善するように命じていました。

付従契約とは一方の当事者があらかじめ定めた契約内容に基づく、機械的に従うことによってのみ成立する契約の事を指し、保険契約や電気、水道、ガスなどはほとんど付従契約です。

今回の一連の身柄拘束によってCOINNEST側は5日に顧客資産を守り、健全な投資環境を作るためにプロフェッショナルな経営体制を整えると発表しましたが、顧客から信頼を取り戻すことができるのかは難しいでしょう。

今後、運営側に対する不信感により、最近注目されている分散型取引所であるDEXに人々が流れ出すことも考えられます。

仮想通貨はボラティリティ(価格変動率)が高く稼ぎやすく、また参加者も増え続けており成長産業とも言われる市場だけに、金銭的な誘惑にいかに運営側が誠実に対応しているかによって、顧客からの信頼も得られるのではないでしょうか。

参考:Naver News