イスラエル銀行が自国の法定通貨である新シェケルのデジタル化を検討していることが関係者により明らかにされたことが分かりました。ロイターによって伝えられています。
ロイターによると、この関係者は匿名を条件に以下のように述べたといいます。
「世界中の中央銀行がデジタル通貨を検討しており、イスラエル銀行も同じく検討するべきです。」
また、デジタル通貨を導入することで、従来の現金よりも処理速度が早い決済を実現でき、現金の流通量を少なくすることが狙いだとしています。
正式な導入は確定していないとのことですが、イスラエル銀行が取り組みをするのであれば、政府側は法整備をし、経済政策に向けた準備を行うとのことです。
中央銀行によってデジタル通貨が発行され、管理体制も整えばテロ資金対策やマネーロンダリング(資金洗浄)の防止なども図ることができます。例えばビットコインなどの多くの仮想通貨では、資金洗浄や犯罪防止といった点が課題のひとつとして指摘されますが、中央銀行管理によってこの問題はクリアになると考えられます。
各国で、自国通貨のデジタル化が検討されており、スウェーデンの「Eクローナ」や、ロシアの「クリプトルーブル」、ベネズエラでは石油など自国資源に価値を裏付けする「ペトロ」の導入に向け取り組みを進めています。
一方、ユーロ圏では自国通貨のデジタル化は導入を見送っており、今月23日には、ドイツの中央銀行であるブンデスバンクがユーロ圏での発行は予定していないと見解を示しました。
仮想通貨といえば、しばしば投機的な側面が話題になりますが、イスラエルのように先進的な国が、自国通貨をデジタル化させるようなことになれば、他の国も後に続く可能性も十分に考えられます。
参考:REUTERS