ブンデスバンク(ドイツ連邦銀行)のCarl-Ludwig Thiele理事は23日、Euro am Sonntagのインタビューに対して、現金のような仮想通貨を中央銀行が発行する予定はないと述べました。REUTERSによって伝えられています。

各国によって姿勢は異なりますが、中央銀行により発行・管理される仮想通貨の構想はいくつか見られるようになってきました。例えば、スウェーデンの「Eクローナ」や、ロシアでは「クリプトルーブル」の計画が進められています。

以前にエストニアが独自の仮想通貨「エストコイン」の発行による、ICOを計画していた際、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が、ユーロ圏ではユーロ以外の通貨は認めないという発言もされており、今回のThiele氏の意見も同様の姿勢に見られます。

また、ビットコインなどの仮想通貨への投資に関してもリスクが高いとし、以下のように注意喚起をしています。

「(ビットコインは)価値が急上昇しており、急速に損失を被るリスクがあります。」

ビットコインは2017年初の頃は1,000ドル前後でしたが、12月には一時20,000ドル以上と、実に20倍以上にも高騰しています。25日現在では、13,500ドル(約153万円)ほどを推移しており、日によっては10%以上の上下も珍しくありません。

先日は、日銀の黒田東彦総裁が「ビットコインは投機対象」とも発言しており、日本国内でも過熱を懸念する声も高まっています。

しかしながら、決済手段として普及が進めば、投資や投機ではなく、仮想通貨が世の中に対して便利なものであるという見解もユーザー側の意見として散見されます。

今年9月にはBIS(国際決済銀行)が中央銀行が仮想通貨を発行するには課題も多く、まだ時間がかかるという見解も示しています。

最近ではビットコインなど仮想通貨が簡単に儲かるという認識から多くの新規参入者を市場に招いています。今後さらに、仮想通貨市場は拡大していくと見られていますが、これから投資をしていくにあたって、十分なリスク管理も求められています。

また、値上がりを期待した投資や投機よりも、実際に決済や支払いに利用したり、技術的な面でも焦点をあてていくことが重要だと考えられます。

参考:REUTERS