ビットコインが、価格を上昇させ注目を浴びています。28日には100万円にタッチし、30日17時現在では約120万円まで暴騰とも言える上がり方をしています。2017年初では10万円ほどでしたから今年だけでも10倍以上の値上がりをしています。
ここまで上がってしまうと、さすがに怖いといった声や、もう出遅れてしまったから諦める、という声も見られるようになりました。「チャンスを逃してしまったな。」と思う方もいますが、仮想通貨市場は、まだまだ成長段階で参入の余地は大いにあります。また、金融街では著名人が「ビットコインはバブル」だと批難する声も強まっています。
しかし、ナスダックやCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)、CBOE(シカゴ・オプション取引所)でのビットコイン先物上場の計画や、CMEでの先物が実現されれば、「ビットコインは詐欺」と発言していた、ジョイミー・ダイモンCEO率いるJPモルガン・チェースでも取引仲介を検討する可能性も出てきています。どのような思惑からこういった流れになったのかは、不透明ですが、ウォール街では妙な動きだといった憶測などルーマーも飛び交っています。
ビットコイン以外にも仮想通貨は数多くあり、その種類は1,000以上を数えるようになりました。これから投資をするにあたって、ビットコイン以外の仮想通貨(アルトコイン)にも注目していくのもひとつの戦略です。
ビットコインから生まれたビットコインキャッシュ
今年8月1日にビットコインからハードフォークでビットコインキャッシュ(BCH)が新しく誕生しました。ビットコインを巡って技術や思想、政治的な論争が起きていますが、投資家の関心は内部の細かい事情よりも、第一に儲かることです。この時は保有しているビットコインの枚数と同量のビットコインキャッシュが付与され、タダで儲かったという印象が強く残っているのではないでしょうか。今では、ビットコインキャッシュは15万円以上で価格推移しています。
ビットコインキャッシュは8MBという、ビットコインよりも大きなブロックサイズを実現しています。ビットコインジーザスと呼ばれる、ロジャー・バー氏を筆頭にビットコインに携わる多くの人がビットコインキャッシュの方が性能が優れていると言い、SBIグループではビットコインキャッシュのマイニング事業を行う予定とも発表されています。ビットコインキャッシュは仮想通貨市場で時価総額3位、約2兆6,500万円、仮想通貨市場全体の約7%のシェアを占めています。
優秀なイーサリアムブロックチェーン
イーサリアムの特徴として、スマートコントラクトが挙げられます。ビットコインのブロックチェーンでは支払い履歴などが記録されますが、イーサリアムブロックチェーンではより多くの情報が記録されます。また、スマートコントラクトを使うことで契約を自動執行することもできます。合意された条件が満たされるまでは支払いなど契約が執行されません。イーサリアムは今後、数回に分けてアップデートを行うハードフォークのプロジェクトが予定されています。
現在多くの企業がイーサリアムブロックチェーンの活用を見出しています。EEA(イーサリアム企業連合)という連合では、トヨタやJPモルガン、マイクロソフト、マスターカードやKDDIなど、他にも多くの大企業が名を連ねています。イーサリアム(ETH)は仮想通貨市場では時価総額2位、約5兆円規模で仮想通貨市場の約15%のシェアを占めています。
送金速度、コストに優れたリップル
Ripple(リップル)社の発行するデジタルアセット(仮想通貨)XRPは特に送金速度や手数料において、ビットコインの比ではありません。しかし、多くのビットコインコア支持者はXRPについて理解を得ていないのが現状です。ビットコインは非中央集権を掲げ、国や銀行などの管理主体がないことを特徴としています。一方、リップル社という主体があると考えれば、XRPは対称的と言ってもいいでしょうか。各国の規制当局や中央銀行などと話合い、その他にも多くの企業がRippleNetに参加し、国境を越えた支払いを実現させています。
最近ではスタンダード・チャータード銀行シンガポール現地法人、インドのアクシス銀行、UAEのRAKBANKの間でリップルのソリューションが使われるなどが発表されました。また、アジア圏ではSBIグループのSBI Ripple Asiaがリップルのソリューション拡大に力を入れており、また内外為替一元化コンソーシアムでは国内メガバンク3行、ゆうちょ銀行を含む61行を取りまとめています。
金融機関以外では、ビル・ゲイツの財団によるMojaLoopという貧困層向けのモバイルウォレットの開発や、アメリカン・エキスプレスとの提携などがあります。XRPは仮想通貨市場で時価総額4位、約1兆円です。
銀と呼ばれるライトコイン
ビットコインが金ならライトコインは銀だと言われます。ビットコインと似ていることから代替的にライトコイン(LTC)を使うケースもありますが、性能はライトコインの方が圧倒的に上回っていて、ビットコインよりも先にSegwitも採用されています。このように考えると現在1万円前後のライトコインは過小評価されているのかもしれません。
ビットコインが100万円以上と高値更新している今、もっと注目を浴びる時が来るかもしれません。ライトコインは仮想通貨市場で時価総額7位、約5,400億ドルです。
どのアルトコインがオススメ?
「どのアルトコインがオススメだ」といったことはしませんが、ビットコイン以外の購入を考えるのであれば、時価総額で10位以内にある通貨が望ましいと考えています。上記以外にも素晴らしい通貨はあるかもしれませんが、ビットコインがここまで値上がりしてしまったので、「買い時を逃した」と思った方は、あくまで参考にしていただければと思います。
ビットコインも来年には200万円といった予測や、2020年には1億円になるという強気な予測もされています。まずは、短期的に見て2018年にそれぞれどのような価格を付けるのか期待されます。