昨今、盛り上がりの絶えない仮想通貨市場ですが、この1週間でビットコイン(BTC)に大きく資金が傾いています。21日には6,000ドル(約68万円)を突破し、23日現在もこの前後で70万円台を伺う様子で推移しています。(CoinMarketCapの統計より)

先にもお伝えしていますが、高騰要因の一つにビットコインゴールド(BTG)のハードフォークによる分岐が考えられます。通常、ビットコインのチェーンが分岐するとなれば警戒が強まると思われますが、投機的な資金が一時的に集まっているとの見方もされています。

8月のビットコインキャッシュ(BCH)に分岐した際には、取引所によってはビットコインと同量のビットコインキャッシュが付与されるとの話が持ち上がり、これを求めてビットコインを追加で購入する方と、リスク回避でビットコインから一時アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)やフィアット(ドルや円など法定通貨)に避難する方、また、何もしないで取引所に放置する方など、市場参加者の方はさまざまな対応を取っていました。

結果無事に分岐がされビットコインキャッシュが安全なものだという認識になると、売買取引も活発になり、ビットコインキャッシュは一時9万円台まで高値を付けました。またビットコインの保有分と同量のビットコインキャッシュも付与されたため、分岐前にビットコインの購入を控えたり、売却をした方からは機会損失をしてしまったという声も散見されました。

こういった前例も手伝ってか、今回はビットコインゴールドが欲しいという声も少なくありません。このような一時的な資金の流入により今回の相場を支えているとの見方がされます。

しかしながら、ビットコインゴールドが付与された後はどうなるでしょうか。仮に今回のビットコイン買いを誘っているのが、ビットコインゴールドの付与目当てであれば、ビットコインゴールド配布前後には不要となり、アルトコインに資金が移動することが考えられます。

画像はCoinMarketCapより

上記図の通り仮想通貨全体のマーケットシェアの約60%をビットコインが占めていますが、25日まで残すところあと2日。ビットコインゴールドの付与が確定後、売り一巡まではビットコインのボラティリティ(価格変動率)も拡大していくとの予測が強いです。

この限りでもありませんが、ビットコインに資金が集まっている今はビットコイン建てでの下げ幅が大きい通貨は狙い目かもしれません。

画像はCoinMarketCapより

しばらくは、話題の絶えなそうなビットコインゴールド。取り扱いや付与の対応は各仮想通貨取引所により異なりますので、これの付与を求めるのであれば、ご自身が利用されている取引所の正式なアナウンスをご確認下さい。

また、こういった市場が緊張しているタイミングに合わせてフェイクニュースやムダな買い煽り、根拠のない理屈でのPump and dump(風説の流布)なども出て来る傾向がありますので、購入をお考えの場合は冷静な判断をするようご注意下さい。