仮想通貨市場で時価総額2位のイーサリアム(ETH)の開発者であるVitalik Buterin氏は加トロントで開催されたRipple(リップル)社主催のカンファレンス「SWELL」にて中央銀行発行の仮想通貨についての見解を述べた。FORTUNEによって伝えられている。

Buterin氏は「ビットコインやイーサリアムなどの根幹技術であるブロックチェーン/DLT(分散型台帳技術)に基づいた国家通貨の登場にはまだ何年もかかるでしょう。」とし、また「イーサリアムは誰でも参加できるオープンなネットワークのパブリックチェーンです。」とも話している。

ブロックチェーン技術については、各国の銀行や政府が研究・開発を進めており、例えばインド準備銀行やウルグアイ中央銀行は国独自の仮想通貨の発行を構想している。また、ドバイでは「emCash」ロシアでは「CryptoRuble」といった独自の仮想通貨の発行に向けて計画を進めている。日本銀行も例外なくブロックチェーン技術の実証実験を行っている。

実用化し普及されるまではおそらく時間がかかる上、投資家保護や犯罪防止の観点で規制の問題もまだ増えてくるだろう。

SWELLでは前FRB(米連邦準備制度理事会)議長のベン・バーナンキ氏も基調講演を行ったがその際、「ビットコインは規制の外では成功しないとしながらも、ブロックチェーン技術については賞賛している。」と話している。

また、関係者によるとFRBでは独自の仮想通貨「FedCoin」を発行するとも考えられている。

イーサリアムのブロックチェーン技術はさまざまな企業が注目し、仮想通貨としてのETHではなくその特性であるスマートコントラクトの活用を見出している。今回リップル社によるイベントSWELLに参加したButerin氏だが、以前リップル社に入社希望していたがビザの関係上、入社できなかったという逸話もある。

19日現在、イーサリアム(ETH)は約3万5,000円、リップル(XRP)は約24円を推移している。市場参加者からは今後の相場動向が注目されている。

参考:FORTUNE