イーサリアムの技術的課題の1つにトランザクションの処理速度の遅さに起因する「スケーラビリティ問題」がある。

先月17日に行われたブロックチェーンカンファレンスの「Ethereal Tel Aviv 2019」に登壇したイーサリアム共同創設者のVitalik Buterin氏とJoesph Lubin氏が、イーサリアムは作成した時点でスケーラビリティを考慮して設計されていないことを認めた。

このことは、同カンファレンスでのインタビューの様子を捉えたツィッターユーザーが公開した動画によって明らかになった。動画では、「スケーラブルでないものを立ち上げ、それをスケーラブルなものに再構築するというコンセプトが最初の計画の一部だったということですか」というインタビュアーの問いに対し、Lubin氏が「スケーラブルでないということは明確だった」と名言し、これに対してButerin氏も同意するように頷いた。

イーサリアムのブロックチェーンが初めからスケーラブルな設計でないということは、創業から創始者たちはその能力ができることを見誤っており、同技術が何を成し遂げられのか、完全には把握しきれていなかったとも言える。

多数のICOがトークンを発行するためにイーサリアムのブロックチェーンに集中したが、この時点でも財団はスケーラビリティが不可能であることを完全に認識していたと言えよう。これが創業者の意図であるのか、単に偶然の結論であるのかについては疑問を呈しており、ツィッター上では現在も議論が繰り広げられている。

発表された最新のイーサリアムのアップデートでは、「Proof of Work」から「Proof of Stake」への切り替えが必要な帯域幅を提供すると約束し、スケーラビリティの保証を約束すると提言したが、やはり今回の創設当初からスケーラビリティ設計がなされていなかったことが明らかになったこともあり、方向性の欠如を指摘する人も少なくないようだ。

イーサリアム・ブロックチェーンのスケーラビリティ問題は、同プロジェクトをダウンさせる原因となり得るのか?それとも新たなアップグレードによってこれまで欠けていたスケーラビリティを提供してくれるのか?今後もイーサリアムの動向に注目していきたい。

参考:Ethereum Founders Admit Blockchain Never Designed for Scalability