中央銀行デジタル通貨(CBDC)への関心の高まりに関して国際決済銀行(BIS)の発行するワーキングペーパーにて報告された。報告によれば、CBDC発行の動機は政策へのアプローチや技術的な設計などと国によって異なると指摘している。
CBDCに近い概念は1987年にジェームズ・トービン博士によって提唱されるなど新しいものではないが、当初CBDCの構想が具体化するにつれて頑なだった態度は、FacebookのLibraの登場により前向きになったと指摘。
またCovid-19のパンデミックによりソーシャルディスタンスを保つ必要性が求められる中、多数の人々の間を行き交う現金のリスクを挙げ、CBDCによる決済の需要が国際的に高まってきていると分析した。
通貨のデジタル化により流通の管理が容易になることで、一般消費者への中央銀行口座開設を許可するか否かといった課題も出てきている。関連企業を減らすことでマージンの削減が見込まれる。一方で民間銀行は苦境に立たされることにもなるが、そこから競争が促進されイノベーションが生まれてくる可能性なども期待されている。
参考:BIS(pdf)