仮想通貨イーサリアムの開発者であるヴィタリック・ブテリン氏が、「仮想通貨はスケーラビリティ問題が障害となって、普及がその分遅れている」と語った。カナダ新聞社によるインタビューで発言した。

仮想通貨のスケーラビリティ問題とは、台帳であるブロックチェーンに起因している。1つのブロックへ記載可能なデータ量が限定されている為、限度まで使うと処理速度が僅かながら減少する。さらに超過分のデータは別のブロックが作成されて入るため処理が遅れ、こうした事がやり取りの遅延や支払手数料の高騰に繋がってしまう。

ヴィタリック・ブテリンはこうした問題を様々な手段で解決しようとしている。

まず従来のPoW(プルーフオブワーク)から、PoS(プルーフオブステーク)への変更を重視している。

以前は個人のパソコンで容易にマイニングできたが、今では業者が専用のマシンを数千台分揃えないと太刀打ちできないものとなり、一個人ユーザーではほぼ不可能なものになってしまった。

しかしプルーフオブステークによって仮想通貨の保有量が多いと、その分同じ利益率で報酬金がもらえるので一個人ユーザーのモチベーションに繋がる。

またプルーフオブステークは、コンピューターの処理を分散させる事で負担を減らす目的もある。なお、プルーフオブステークは大幅なアップデートとなる「イーサリアム 2.0」の中の一つの取組みであると言う事。

次にビットコインから派生したビットコイン・キャッシュも使い、スループットも4倍となって、料金が下がる見込みがあると言う。他にもプラズマ導入で低コストかつ、効率化する事も視野に入れている。

しかしながら、これだけの事をしても実用化まではまだ先の話だとしており、イーサリアムが一般的に普及するための課題はしばらく続くという。これからのイーサリアムの新しい仕様に注目していきたい。