アメリカのニュース配信プラットフォームであるPopulaが自身のサイトで公開している記事をIPFSに保存し、ハッシュをEthereumブロックチェーンに書き込んだことを発表した。これによりEthereumとIPFSプロトコルが生きている限り、つまり半永久的に改ざん不可能な文章の保存が実現した。
アメリカのスタートアップ企業Civilのサポートにより実現した今回の動きだが、Populaと同様に以前Civilと提携したThe Colorado Sunと同じく、Populaもまた広告フリーのメディアとして運営されている。広告主からの圧力により記事化できない文章などをなくしジャーナリズムの真の民主化を狙った動きが拡大しているものと見られる。
ブロックチェーンへの大容量の記帳は非常に高価なコストが要求されるが、分散されたメディアの所在地をコンパクトな文字列で表現するIPFSとの連携で大容量のファイルであっても低コストで改ざんに強い分散されたファイルの配信を実現した。分散ファイルシステムとしてはEthereum公式のSwarmも知られるが今回はIPFSが選択された。
分散されたファイルの配信者が少ないうちはダウンロード速度がボトルネックとなるIPFSだがコンテンツキャッシュとの併用などで利便性においてはクリアできる部分が多くバックエンドに関してはウェブの完全分散化への技術障壁は低く、認知度の拡大に伴い普及も加速度的に進みそうだ。
参考:Popula