昨今のビットコインの高騰にバブルの警鐘を鳴らす人もいれば、まだ未成熟で市場の発展はこれからだという声も見られます。また、仮想通貨の根幹技術である、ブロックチェーン技術/DLT(分散型元帳技術)に多くの国や企業が目を向け、活用を見出すべく取り組みを進めています。
英国大蔵省では、ビットコインを認めるべきではないと、厳しく規制をする予定としています。違法薬物の売買や、犯罪資金の調達、マネーロンダリング(資金洗浄)を懸念している構えです。日本では改正資金決済法により法整備も進められ、仮想通貨交換業が金融庁の登録制になったものの、英国同様に警察庁ではマネーロンダリングを警戒しています。
その一方で、中央銀行ではDLTを使った実証実験など積極的に技術検証も行われています。上述した英国でも例外なく、イングランド銀行(英国の中央銀行)が、Chain(チェイン)や、NTTデータ、Ripple(リップル)などのシステムを使い実証実験を行っています。
日銀も同様にDLTを用いてECB(欧州中央銀行)との間で実証実験を行いましたが、現状ではまだ時間がかかるだろうとしています。各国中銀ではデジタル通貨の構想をしており、ロシアのクリプトルーブルや、スウェーデンのEクローナの検討などが先行しているでしょうか。
日本ではJコインの構想が話題となりました。2020年の東京五輪の時期を目標にプロジェクトを進めるとのことです。
このような流れの中で、ニューヨーク連邦準備銀行の総裁であるウィリアム・ダドリー氏が以下のように述べました。
「FRB(連邦準備制度理事会)がデジタル通貨を発行すると言い切るのは時期尚早ですが、私たちは検討しています。」
また、最近のビットコインの高騰に対して、ダドリー氏は以下のようにも話しています。
「ビットコインにはかなり懐疑的です。ビットコインは安定した価値を保っていません。」
以前からFEDコインなどFRB発行の仮想通貨の構想は出ていましたが、ビットコインのようにボラティリティのあるものではなく、ドルと等価のものが想定されます。
現段階では、FRBで発行するとは言い切らないものの、検討はしているとのことですから、技術としての可能性は十分に理解しているのではないでしょうか。キャッシュレス化が進む近年、FRBの今後の動向からも目が離せません。
参考:INVESTOPEDIA