KDDI株式会社が、株式会社KDDI総合研究所、クーガー株式会社の3社で、27日からイーサリアムを使ったスマートコントラクトの実証実験を始めたことを発表した。
今回、実証実験に使われるのは企業向けの分散アプリケーション用プラットフォームのEnterprise Ethereum(エンタープライズイーサリアム)で、KDDIは、27日に、Enterprise Ethereum Alliance(EEA:イーサリアム企業連合)にも加盟したという。
スマートコントラクトは、イーサリアムを象徴するブロックチェーン技術で、前もって交わされた契約内容を、改ざんできないようにプログラムに組み込み、契約どおりに条件が一致した際に、自動で執行されるというもの。
今回の実証実験では、KDDIの既存事業以外にも、非金融事業など含めイーサリアム等のプラットフォーム上で構築されたオープンサービスや、協業先サービスの連携などを想定したスマートコントラクト活用においての事業・技術上での課題と効率を検証することが目的だとしている。
まずは、KDDIとKDDI総合研究所、クーガーの3社共同で、ブロックチェーン技術を活用し、モバイル端末の店頭修理の受付から修理完了までの経緯において、リアルタイムに情報シェアが行えるか、またオペレーションが効率化されるかといったことを検証する。
また、スマートコントラクトによって、リユースサービスなどの異なった事業者間においてシステム連携が行えるかも考察し、例えばモバイル端末の修理の金額や機種変更の金額、中古価格など別のシステム間の情報をプログラムが自動で判別して契約が実行されるかも検証していくとしている。
この実験が成功すればKDDIのサービス展開の可能性も広がり、さらにイーサリアムのスマートコントラクトが注目されることも間違いないだろう。スマートコントラクトはすでに様々な企業が採用しており、最近では金融・保険大手のAXAではスマートコントラクトを活用した航空便遅延保険のfizzyを提供している。
今回のKDDIのイーサリアムでの実証実験とEEA加盟が、仮想通貨のイーサリアム(ETH)の価格に直接影響があるかといえば、難しいところではあるが材料とするのであれば、KDDIという国内有数の大手企業がイーサリアムの技術に活用を見出しているということは非常に大きな意味を持つのではないだろうか。
27日現在、イーサリアム(ETH)の価格は3万3,000円前後を推移している。来月にはメトロポリスのハードフォーク(ビザンチウム)が行われる予定。イーサリアムの相場動向も含め技術的な部分でも注目と期待が集まっている。
参考:KDDI