SBIホールディングスが、独自の仮想通貨を使った新しい決済方法を可能にするプラットフォーム「Sコインプラットフォーム」の構築に向けてOrbと共同で開発をしていくことが分かった。

Orbは自社開発の分散型台帳技術「Orb DLT」や、それに関連するフィンテックソリューションのサービス提供をしている企業。OrbにはSBIホールディングスの子会社のSBIインベストメントが出資をしている。

昨今、クレジットカードや交通系ICカードなど、現金を使用しないキャッシュレスな支払方法の普及が加速しており、例えば、SuicaやPasmoといったICカードに前もって金額をチャージしておけば、電車やバスなどの交通手段はもとより、コンビニエンスストアなど小売店や自動販売機などでも支払い対応が増えている。

今回、開発を予定しているSコインプラットフォームはブロックチェーンベースで構築されるとし、SBIホールディングスが発行する「Sコイン」やSコインプラットフォームを使って地域金融機関、地方自治体、事業会社などが発行する独自のトークンや仮想通貨などを使って、スマートフォンを介した簡単な支払い方法を提供していくとしており、主にキャッシュレス化、決済コストの削減を目的としている。

Sコインの利用だけでなく、Sコインプラットフォームを使ってトークンや仮想通貨等のさまざまな電子通貨を発行・交換することが可能なので、地域内で利用できる商品券なども電子化が可能となり、発行コストや決済の簡易化により地域の活性化にも期待される。

肝心のSコインだが、これは決済用のものと考えられるので、仮に取引所で扱われた場合、価格の変動などが気になるが、おそらく円と等価もしくは価格変動の少ないものであると予想される。

ブロックチェーン技術により、生活が便利になる一方で地域レベルでは技術の開発・検証などハードルが高く、導入がしづらかったり遅れてしまう事例も少なくない。Sコインプラットフォームが公開され、商用利用が可能になれば多くの企業が恩恵を受けられるだろう。今後の展開が待たれる。

参考:SBIホールディングス