世界をリードするダイヤモンド生産企業の一つであるデビアスがダイヤモンドソースプラットフォームをブロックチェーンベースで大規模に展開していることを明かした。このプラットフォームは産出地から消費者までの来歴情報の提供を可能にすると説明している。

Tracrと呼ばれるこのプラットフォームはダイヤモンドのサプライチェーンをブロックチェーンに記録することで不変の出所を提供し、ジュエリーの小売業者が自信を持って宝石を販売できるようになるとデビアスは述べている。

同社の声明によると研究開発を開始してからほぼ4年を経過してのローンチとなっており、今年の生産量の4分の1をすでにTracrに登録していると伝えられている。

デビアスのブルース・クリーバーCEOは、これまで違法なダイヤモンドの流れを食い止めるための努力が不足していたと非難されてきた業界への信頼を、ブロックチェーンが高めることができると声明で語った。

また「生産から販売まで出所情報を安全なブロックチェーンに記録し、提供することで、基準を強化し、信頼に支えられた天然ダイヤモンドを最終消費者に提供することが出来る。」とも述べた。

ボツワナの鉱物エネルギー大臣であるレフォコ・モアギ氏は、ブロックチェーンベースのシステムの導入は、ダイヤモンド生産会社の株式の15%を保有する彼の国と、デビアスの両方にとって喜ばしいことだと述べ、デビアスががダイヤモンドを調達する方法に対する利害関係者の信頼を構築することの重要性を繰り返した。

米国政府からも不法に採掘されたダイヤモンドが紛争を助長させているといった懸念が示されており、デビアスのようなダイヤモンド生産企業は、不法なダイヤモンドが市場に流入しないような努力が望まれていた。

ブロックチェーンへの記録を介さない個人間取引を排除できないため将来的にも完全なトラッキングは難しいと見られるが、巨大ダイヤモンド生産企業の一つとしてクリーンなダイヤモンドの提供を責務として捉えているようだ。