金融庁が仮想通貨の証拠金取引における最大レバレッジの上限を2倍までとする方針を固めたことについて日本経済新聞が報じた。
この新しい規制方針についてはすぐに実施されるわけでなく、まず意見公募をにかけた上で今年春に施行される改正金融商品取引法の内閣府令で定める予定としている。
金融庁はあくまで意見公募をかけるとしているが、証拠金取引を採用する仮想通貨投資家からの非難を避けるためのポーズであり、レバレッジ2倍は既定路線であると見られる。
仮想通貨における証拠金取引は、海外では100倍を超えるレバレッジ取引ができる取引所も複数あるが、日本では日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が現在自主規制という名目で最大4倍までと定めていた。
これはあくまで自主規制であり、金融庁側としては曖昧なルールでの運用ではなくしっかりとした規制を設けることで悪質な業者を締め出したい狙いもあると見られる。
仮想通貨取引については今でも投機的な取引をすることで安全な運用を懸念する意見も多数あることから、レバレッジ2倍までとすることで仮想通貨取引を健全化させようということにも繋がる。
2倍という数字の根拠については、以前金融庁の審議会において米国先物取引のCMEやEUが上限を2倍としている以上、日本も歩調を合わせるべきであるという意見が出ており、今回改めて行動に移されたのではないかと思われる。
過去にFX人気が過熱したときにもレバレッジ制限の波が訪れたように、今回の制限強化について落胆する者も現れる一方で、ある程度想定していたものも多いのではないだろうか。
反対に、マーケットが成熟していけば規制緩和に踏み切る可能性もあるが、仮想通貨の規制づくりに関して日本は世界でもトップクラスの品質を保っており、今後も世相にあった規制の見極めが求められる。
参考:日本経済新聞