デジタル人民元の発行に伴い中国で仮想通貨取引の取り締まりが強化されるという噂が流れている最中、実際に閉鎖へと追い込まれた取引所が出てきた。北京警察が現地の仮想通貨取引所BISSを閉鎖し、関係者10人以上を逮捕したとしている。
仮想通貨投資会社Primitive Venturesの創業メンバーのドビー・ワン氏によれば、BISSは比較的知名度の高い仮想通貨取引所であり、取り締まりの噂は2週間も前から仮想通貨コミュニティの間で既にされていたという。
閉鎖の理由について詳しい情報は明らかとなっていないが、BISSのブログでは中国当局から業務停止命令を命じられていることを認め、19日時点で全ての取引と出金が一時的に停止されていると報告されている。ユーザーの資産が安全であることも報告されており、中国当局にも全面的に協力し、調査が完了するとユーザーは資産にアクセスできるという。
問題点把握のために内部調査は必要とは言え、それと引き換えにプライバシー情報も当局に筒抜けになるというのがユーザーとしては複雑な心境であることは間違いない。
22日には中国の深圳の規制当局が仮想通貨取引所規制に従わない39の取引所を特定したとしており、中国がブロックチェーン開発に対してオープンになりつつも仮想通貨への規制はより強いものとなっていくことだろう。
よく知られている取引所に関しても例外なく捜査のメスが入る可能性は十分にあり、場合によっては閉鎖騒動が起こるかもしれない。先日はこういった状況を受け、Binanceサイドが存在を否定する事務所への警察捜査の介入と行った噂もおき、ビットコイン価格の暴落の引き金となった経緯もあり、今後は取引を控える流れも出てくるだろう。
ブロックチェーンによる取引の追跡性の強化は分散化が不完全で、中央管理者のいる状況下ではプライバシーに影響を与え、取引所の規制強化で摘発が増えれば現行の仮想通貨は流動性を妨げる。中央集権にとって都合の良い環境づくりが進めば分散型嗜好にとってはマイナス材料が増え続ける。
参考:sohu.com