米国の信用組合サービス組織であるクレジットユニオンのCUレジャーが、展開を予定しているクロスボーダー決済などを支える技術として、法人向けブロックチェーンソフトウェアを開発するR3の分散型台帳技術「Corda」を採用したことを発表した。
すでに米コロラド州を拠点としているCUレジャーは2018年12月の時点で300社以上の金融系企業から形成されており、R3グローバル・ネットワークに参加している。
プレスリリースによれば、採用の理由としてCUレジャーはサイバーセキュリティや詐欺による信用組合業界のリスクの軽減、さらに業務プロセスの合理化、管理・運用コストの削減を支援すると言う。
さらに、同社はCordaを元にしたIDシステムと不正検知のためのブロックチェーンベースのシステムをCUSD会員に提供するとしている。
今回の発表に伴い、注目する点としてCUレジャーが2020年の初頭にリリースを予定している、CUペイ(CU Pay)がある。
CUペイは決済ネットワーク間を接続を可能にし、クロスボーダーの電子送金コストを削減するうよう設計されていると言う。
これによって利用する多くの団体、もしくは個人でもブロックチェーン技術を用いたクロスボーダー取引、さらに割安なコストで送金することが可能になる。
R3と競合しているリップル社のクロスボーダー取引においてどちらの取引を選択するかについて企業が選択することが鍵となっている。また、R3の開発しているCorda Settlerでは仮想通貨のXRPを決済に用いるという点でもリップル社のソリューションと類似しているとも言える。
しかしR3とリップル社のクロスボーダー取引におけるシェアの奪い合いによって今まで以上に現状のシステムであるSWIFTは時代遅れ、もしくは採用取りやめとの流れとなっていくことは間違いないだろう。
利用する者にとってはメリットが大きく、最近では海外における出稼ぎ労働者も増えてきていることから、クロスボーダー取引は堅調な推移を示すことには間違いない。今後の展開が注目される。
参考:Finextra