米国にてテロなど仮想通貨の不正防止のためにタスクフォース設置の法案が可決された。仮想通貨利用に対して、ネガティブなイメージもしばしば見受けられるが、これにより信用が上がる可能性もあるとして期待されている。

共和党の下院議員である、テッド・バッド氏が今年1月に金融サービス委員会に提案した法案の改正版である下院決議案5036号は、仮想通貨の不正防止のための金融テクノロジータスクフォースを設置するものとし、法案が可決したことにより、議員たちは仮想通貨に関心を向けながらも信用力をアップさせる要因にもなる。

米ドルに対しての規制が既にある程度確立されている中、仮想通貨分野にしてこのような法案が可決されることで、仮想通貨による今後の市場拡大やそれに伴う懸念を払しょくする事にもなるために、仮想通貨市場は今後優れた取引プラットフォームになる事が考えられる。

原案からの重要な修正点の1つとして、経済制裁を回避するために仮想通貨を使用することを防止するセクションも設けられる。このため、経済制裁を受けているイランやベネズエラの仮想通貨保有者に対して、取引しづらい環境が発生してくる可能性もある。

セクションが設けられたことで、具体的にどのように規制をしていくか程度にもよるが、もし国内の仮想通貨保有者が取引できない状況に陥ってくれば、経済はさらに深刻になり、治安の悪化にも繋がることは想像に難くない。しかしながら、仮想通貨取引は世界的に何らかの取引ができる環境を保っているメリットもあることから、影響は限定的と捉えることができるだろう。

9月には、米議会のテロおよび不正融資に関する小委員会は、仮想通貨を使ったテロ資金調達について議論をしており、米シンクタンクの専門家であるファヌージ氏によれば、仮想通貨はテロリストにとっては使い勝手が悪く、現金が今でも一番使われていると指摘している。

仮想通貨は取引後にはトランザクションIDが発行されることもであり、資金の流れを把握するにはある程度を裏付けされているが、現金は手渡しであるため、どのような流れを通ってテロリストの手に渡ったのか把握するには難しいデメリットがある。

今後、ブロックチェーン技術が発展し、法定通貨がデジタル化(CBDC)されればネット上でもさらに規制やルール作りがされていくことだろう。仮想通貨を巡っては今はマネーロンダリングなどの問題が多いが、今回のタスクフォースにより、テロ資金供与対策など不正防止の活躍に期待したい。

参考:Congress.gov